海のバーイベント
「あら凪咲、いらっしゃい。暑い中来てくれてありがとう。」
「あ、凪咲さん!わぁぁあ!水着!水着美女!大丈夫ですか?男どもに声かけられたら、すぐに警備員に突き出してくださいよ?」
「ま・・・まぁ、あまりに挑発的すぎるカッコは避けてるから大丈夫だよ。いやぁ、一日限りの夏のバーイベント。他のテントと明らかに雰囲気ちがうし、カクテルも本格的なやつちゃんと用意して凄いじゃん!」
「じゃあ、そんな凪咲さんに、夏用にアレンジしたギムレット用意したんですけど、どうですか!?」
「おっ、じゃあまずはそれお願いしようかな♪」
「はいっ、じゃあ少々お待ちくださいね!」
・・・(カクテル作成中の間に、澪オーナーが登場)・・・
「やあ、香澄さん、遥さん。暑い中頑張ってくれてありがとう。」
「お疲れ様です。澪オーナー。」
「二人のことは信頼してるけど、問題無く盛況そうで何より。せっかくだから私も何かもらおうかな。そうね・・・アイラウイスキー何かある?」
「はい!ラフロイグ持ってきてますよ!澪さん流石ですね、塩気が風に混じって良く合いますよ!」
「じゃあ、遥さん。私にはラフロイグのハイボールお願いします。そして凪咲さんもイベントにわざわざ来てくれてありがとう。」
「い・・・いえ、私としても新鮮な気持ちですし。香澄と遥ちゃんのイベントカクテル飲みたかったですしね。」
「凪咲さん、ちょっと澪さんにだけ遠慮がちになってますよね。いつも度胸満点な凪咲さんにしたら珍しいなって思ってるんですけど。」
「いや、澪さん上場企業を創業された方だからね!?私なんてしがないただの一般会社員なんだから、そんな雲の上の人見て普通でいられないよ!?本当なら"澪さん"って言うのも憚られるぐらいなんだから!」
「それは買い被りすぎよ。もちろん私自身頑張りはしたけど、優秀な社員の皆が頑張ってくれたからの成果。それにね、何回か凪咲さんにも伝えたけど結果って運の要素も大きいの。だから、"これが全部自分の実力だ!"なんて言ってたらあっという間に全部なくなってしまうのよ。そんな方、何人も見てきたしね。だから、ここでは、ただの"酒好きのお姉さん"とでも扱ってもらえるかしら?」
「は・・・はい、分かりました。そういうなら気楽に・・・は流石に無理ですけど、畏まり過ぎはしないようにします。」
「もちろん無理にとは言わないからね?さて、香澄さん売上はどう?赤字でもちゃんと手当は出すから心配しないで良いのだけど、大体どのくらいになるかだけ。」
「いえ、手当は不要です。でも、今日の利益分はある程度いただけませんか?」
「あら・・・ということは?(タブレットで売上を見る)、あらあら。これは凄いわね!目標の倍に届く勢いじゃない!」
「普段のお客さんはもちろん、興味を持ってくれた新規のお客さんも一杯来てくれました!SNSで宣伝した効果と、体験してくれたお客さんも拡散してくれてバズってますよ!利益まで出たのに宣伝効果までバッチリです!」
「素晴らしいわ!利益の一部と言わず、二人とスタッフで全部持って行きなさい!これは間違いなく二人とみんなの普段からの仕事のおかげなんだから、それに誇りを持つべきだわ!」
「・・・澪さんのこういう所、ほんっと凄いなぁ。出すべきところは全く惜しまずに出す。いくらバーが副業だからって、利益全部スタッフに還元できるもんなの?」
「さ、じゃあせっかくだから二人もお酒を持って乾杯しましょう。もちろん凪咲さんもね♪では、潮風と普段の仕事ーー誇りに乾杯!」
呪文
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