小説『財力勇者ー財で殴って勇者に成るー』【ニャンノ世界】
『財力勇者ー財で殴って勇者に成るー』
ニャンロッパ地方に位置し、
要塞都市アイゼットはアイゼン財閥が本拠とする場所であり、
ブレイブ王国における経済の機能を集約した重要都市である。
しかし、先の大戦
〈晴天アポカリプス〉において
ニャンロッパ方面の芯夜境戒
の進攻によって、防衛線を突破されたことから大打撃を受けた
ブレイブ王国およびアイゼン財閥は極東のヤマト国と同盟を結び、
アミガルズやニャカラ島の開発者達と都市復興計画を考え、
構築されたのが
〈タワーディフェンスシステム〉
であり、これは黎環時代および黎都路時代末期にてゲームのジャンルとして確立していたものを参考に実用化しようという論理体系であり、終末事変を契機として、
その源は構築されていったものである。
強さは武力のみならず
総合力によって
生存の有無は決まる在り方は
〈タワーディフェンスシステム〉の考えに則って、受容されうるものとなり、数多の都市で、この考えを基に、生存力は増したようである。
それは、終末だからこそ
日常は失われ、非日常ゆえの
生存手段なのやもしれない。
つまり、世界は魔王の存在
よりも人類が厄災となり、
終末を引き起こしたことによって
生まれた想像の欠如から来る
悲劇ならば、
暗黒時代を越えた先の
ネコニャリ時代の生存者(サバイバー)は自らの脳によって考える葦となって進む勇者なのやもしれない。
そして、現在、魔王が住む夢幻宮は崩壊し世界は平和に平穏になったかといえば、むしろ、新たな問題が発生したわけで…
「緊急警報、緊急警報、夢幻厄災の襲来を確認、要塞都市アイゼットはこれより、タワーディフェンスモードに移行します」
都市の中枢を担う要塞都庁より
連絡が即座にゆくと、
お店や建物は絡繰式に、
地下シェルター的に移動し
表には防衛装置や司令部となる
加えて、要塞都市自体が
巨大な空母あるいは戦艦へと
変わり、財力勇者こと
ニイクラ・アイゼンにとっての
真骨頂、胸が高鳴る瞬間であった。
「さて、いきますわよ、我が配下達」
「魔力が高鳴るわ」
財力で芯解にしてきた怪異は
数知れず、ニイクラはニイクラウン系統のルーツもあるため語学にも秀で、その言語を怪異達を講師として招き、怪異との架け橋ともなったりと、彼女は武力的な力はないものの、財力によって、厄災問題を解決してきた、〈Money is Power〉な御方なのである。
そんな、彼女を人々はこう呼んだ
財力勇者と、事実、ブレイブ王国の国王、ブレイブネス七世からも
勇者の称号を授与されるに至る。
傍らには
漆黒の魔女 クロイ・ディア
と
忠世の騎士 アレックス・ニャルタン
がいる。
財力、武力、想像力
この3つが揃いし時
力を発揮するはアイゼン流の信条である。
「さぁ、進もうか、財の力で、世界を掴むのだ!」
彼女の手には黄金の波動が
揺らめいていた。
呪文
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