ヒノイのクノイチ その2(フェンテス偵察開始)
身体強化の異能を持つ彼女は、先祖代々に伝わる武技と工作術の数々を用いてヒノイを侵略するモノと戦う、現代に生きる正真正銘の“ニンジャ”である。
(とはいえ、生身でメカ…からくり仕掛けの連中と戦うのは骨が折れる。刀も結構刃こぼれするし。やはり忍びの本道は情報収集でござるなぁ…)
身体強化といっても、戦闘に特化した異能持ちの仲間に比べれば自分の本分はそちら向きではない…とひとりごちながら、クノイチは目標に視線を移す。
ノーマとはいえ少女ひとりに翻弄されたのが余程衝撃的だったのか、偵察部隊は追手の存在など気にも留めていない。
‘這々の体で逃げる’とは、まさにこんなカンジだろうか。
(重畳、重畳。…さーて、色々と偵察させてもらうでござるよ?)
マフラーの下でいたずらっぽく微笑むと、クノイチは次の算段を考えるのだった
前回のあらすじ
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呪文
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