4つの文明の真実
セントレイク地下空洞、その先は誰も知らない。
地下の断崖絶壁の切れ目の底に人は到達できていなかったからだ。
しかしその先にあったものがついに目の前に広がったーーーー
今の時代よりも明らかに遥かに進んでいる・・・と思われる高度な文明ーー機械とも魔法とも違う全く異種な魔法機械文明というべきか。
「これが今地上の世界の者たちが使っている魔法の原理なんじゃよ」
小さき幼き大古の魔導士が語る。
「皆が魔法と言っているものは、この都市、というべきか、この構造物たちが発現しているものなんじゃ。」
「この地下にあるリアクターは地上世界の至る所の言語を収集しており、地上の魔法使いや剣士たちが唱える、呪文、それを”プロンプト”と言う物として受け取り、この都市全体を管理している頭脳生命体に送られ、結果を生成して魔法が地上で出現する。それがセントレイクの魔法の正体なんじゃ。」
魔法剣士はうろたえる、
「そ・・そんな・・・!それではフェンテスの機械化文明と・・」
「そうじゃ、元の元は同じなのじゃ。あちらはより実体に近いがな。ただ、おぬしも気づいてない・・または気づかないでいたいかもしれんが・・・」
小さき幼き大古の魔導士は続ける
「シラクレラの半妖や陰陽師の使う術式、ヒノイの異能・・この2つが、今話した2つと根源が別だと思うか?」
魔法剣士は息を飲んで吐くように言葉を出す。
「同じ頭脳生命体の力・・・・・?まさか」
隣の僧侶が大きく発狂気味に叫ぶ。
「ありえない!我々の信仰がまやかしだと?ただの命令文だと!?信仰があるから回復魔法は使えたんだ!癒しは我々の信仰と神の加護によってのみ叶えられる物だと古来ずっと!神官は!」
魔導士はポツリと話す
「最初は少数の物が独占する為の方便じゃったんじゃ。しかし今となっては、全てこの受け入れがたい真実を覆い隠す為の偽りだったんじゃ」
神官は半狂乱となる。
「そんな!神とは神への信仰の慈悲の結果の回復魔法とは!そんな・・!」
驚愕する魔法剣士は神官を取り繕う事もできない。
「耐えがたいかもしれんが今、回復魔法を唱えると、この場所なら都市がプロンプトに反応するのがわかるはずじゃ・・見たくはないだろうがのお・・」
衝撃という名の静寂が横たわる。
呪文
入力なし