紅ノ再会 -Rose Dragon-
数年前...巨大な薔薇のような植物の花が、その島に咲いた。
日が経つにつれ島は茨に覆われていき、島で生きる生物たちにまで影響を及ぼした。
茨から咲いた花は、生物を侵蝕する特性を持っており。
侵蝕された生物はやがて、その様相が大きく変わり怪物になっていく。
島から脱出し、大陸に逃げ延びた者たちによってその植物の情報は広がり。
程なくして島への立ち入り及び接近が禁止され、承認された者以外は近づくことすら出来なくなった。
そして学者等によってその植物は{大花魅(オオカミ)}と名付けられ、優先すべき研究対象と判断された。
現在...
「ただいま、お婆ちゃん...寂しかったよね、苦しかったよね、辛かったよね...」
島民の中で唯一、赤い薔薇の竜に変貌した祖母とアタシは再会した。
「大丈夫だよ...アタシ強くなったから、だから今...解放してあげるね...」
祖母から貰った、赤い頭巾の外套に身を包んだ少女は涙が零れぬよう、目を見開きそう言った。
呪文
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