ヒノイ-フェンテス なかよし部 2
過去の”親友”たちへのメンタルケアや,前線の兵士たちの心理診断はその中でも重要視され,神格との戦いに彼らもまた巻き込まれていくことになる.
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なかよし部のひとりが,生徒会から召集指令を受けて夕方の廊下を歩いている.
明日には荷物をまとめて前線に向かうことになる彼女は,この校舎での最後の”部活”を終えたところだった.
考え事をしていた彼女の前に,不意に人影が現れる.
2mを超えた大型アンドロイド.彼女が随分前に担当した”親友”.
「...久しぶり.その感じは,あなたもメンタルケアを受けたみたいだね?
私が憎い...かって言えば,まぁ,そりゃそうか.
さ,殺すなら今だよ.私,明日には前線に行かなきゃいけないから」
「...」
アンドロイドは佇み,そして悩み抜いた末に,右手を差し出した.
「...?」
なかよし部員は訝しむ.攻撃の意思は無さそうだった.
「俺はお前らのしたことを許さない.
だが,もう怒ってはいない.
俺も明日にはフェンテスに戻ることになった
だから,お別れと,仲直りの,握手をしよう」
「...然らばさようなら
お互い,元気でやろうね」
斜陽に染まる廊下で,ふたりはぎこちない握手を交わした.
それぞれがそれぞれの幸運を祈って.
呪文
入力なし