小説『ミニマリスト的な領域で』【ニャンノ世界】
『ミニマリスト的な領域で』
彼は徹底的なまでに
空間を白く、空でありたいと
願うミニマリストであった。
必要なのは、象徴であって
記号に不必要なものは
置かないのだった。
乱雑に溢れていたら
心は怪物化する。
だからこそ、
救えなかった…
命がある…
大切な存在を…
光治は成しえなかったのだ。
ゆえに、彼は
白の協会長たらんとする。
真っ白な仮面に隠れた…
シンボル的な記号に対して
完全なる…象徴であれと…
精神的な領域が、
眼前に広がる領域であり、
空想たるものなのかもしれない。
移ろう、彼の精神領域…
本来の彼は色鮮やかな
人だったのだろうか…
終末は人の心の色を変えていく…
世界が変えたか…
己が変えたのかの
判断すらも付かないほどに
無慈悲に塗り替えていくのだ。
呪文
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