潜入中にハプニングは付きもの
こそこそする方が怪しい。堂々としていれば、人は怪しまない。
しかし、夜には、あまり人が居ない。
どうやら、シラクレナと交戦中で物資も逼迫しているという。
人の行き交いも街の活気もなくなっていくのだろう。
そのとき、店の中から出てくる集団と目が合った。
獣人が集団。その腕に抱えているのは沢山の物資。
よく見れば、店の扉が無残なものになっていた。
これは、所謂、火事場泥棒といものか。
「貴方たち、盗人ね?」
自分は、犯罪は許せない。この国の法律は詳しくはないが、窃盗は犯罪だろう。
「なんだぁ? ガキ?」
「嬢ちゃん、もうお家にかえんな?」
「いや、こいつの服、珍しいな」
自分を獲物だと認識したようで、品定めするような視線が自分をなめまわす。
「いいわよ。私に勝てたら、見逃してあげるし、この服もあげる」
そう言うと、嬉しそうな声があがる。
「勝てたらね」
にこりと笑い、炎の杖を召喚する。
「よく燃えるでしょうね」
ゴミは燃やさなければ。
犯罪者達の顔がひきつり、逃げ出すのは一瞬だった。
「逃がさないわ!」
自分の炎の鳥が彼らを追い掛けるのも一瞬だった。
呪文
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