小説『彫像小説家の戯言』【ニャンノ世界】
『彫像小説家の戯言』
「なぁ、ナンシー『ネタギレンの悪夢』ってどう思った」
一見すると黎都路時代の探偵を
感じさせる男は、実際は探偵風なだけであり、物を書くだけが取り柄な、黎都路チックな存在である。
名は語部任治郎
(かたりべにんじろう)
話となるネタ探しに帝都の街を歩いては奇々怪々難事件に出くわす
数奇な運命を持つやつだ。
「どうも何も、ネタがないだけのしょーもない話だったわ」
語る彫像、名はナンシー・テルネン、通り名は〈彫像のナンシー〉
心迷い、ネタ切れとなって珈琲屋で出くわしたとある事件で芯解となった。
珈琲を飲み、場を整える。
気持ちも整うし、気分が落ち着くのだ。
「帝都の眺めは気持ちがいいな…見ていてすっきりするぜ」
「おい、亭楽に耽って、ローマの衰退みたいになるぞ」
「知らねぇよ、おりゃあ、この本が鳴かず飛ばずだってぇことに酔いたいんだがよ…下戸だから、珈琲で飲まなきゃやってられんよ」
おちょぼ口みたいな顔をして、しんみりする小説家は、珈琲喫茶で
ネタ探しおよび思索に耽ける。
喫茶には小説が始まるドラマが詰まっている。
朝ドラから、昼ドラから、夜ドラまで、ドラドラドラ…
「ツモばっかやってたら、ツモっちまって負けちまうなハハッ」
自由気まま、まさに猫の如くが心情の彼の前に読者らが現れる。
「おい、お前、なんだよ…気恥ずかしいな、おい」
無論、まだ、読者は現れてなどいない、だが、その時点で、読者は突然、現れるのだ。
「テミテミ、ヨイヨイ、スゴスゴ
、ゴイゴイ、スースー」
「なに言ってか、わかんねぇ、けれど、これは…これから来るっていうタロット的な暗示か」
「そうよ、11と13、足して、24から、22越えたから2+4…導きだされしタロットはこれよ」
宙に浮かぶ無数のタロットカードから、任治郎の前に現れたのは…
6、恋人であった。
「これが正か逆かは己次第か~、おっとマスター珈琲お代わり」
「ははは…小説家さん、うちの珈琲をビールみたいな酒にせんでおくれよ」
珈琲屋の主人は苦笑いする
「酔えるってのは楽園みたいなもんさ、酔えるようなもんがなきゃ、辛くなるもんよ」
珈琲に砂糖をちょびっと入れて、
脳内補給を完了させる。
読者の残像はクスクスかシーンなのかは知らないが、
彼にとってのオアシスであり、エネルギーの元は、喫茶店であり、珈琲であり、心地よいと感じていた。
時は砂時計、ぼぉ~っとしてたら、あっという間に年を超す、
加速する時間概念の中から、
一歩引いた視点で、彼はネタ探しに街を歩くのだ。
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