銀花遠景
人々が空を見上げる中、何やら人目をはばかるように花壇の陰で様子をうかがい、固唾を飲んでしばらく遠くを見つめる娘がいた。ご先祖様の天原久音とよく似た艶やかな黒髪、花をあしらった雪のように白い浴衣。花火に負けぬほどきらきらと輝いている瞳。何やら企んでいる様子さえなければ、花火に照らされる清楚な日本人形といった佇まいの、天乃原雪音である。
せっかくの花火にも背を向け、期待に輝くその瞳が見つめる先にいるのは二人の男女――天原久音と雪見清治郎であった。
「そう、わたくしは迷子ではぐれてしまう、そういう設定なのです...せっかくいいところですのに、お二人の邪魔をするわけに参りませんわ。そう、わたくしはずっと迷子のままで、花火が終わったあとで偶然ようやく合流できる、そういう設定なのです...。
もう、清治郎さま、そこで腕組みなんかなさらないで、殿方のほうから久音お姉さまの手をさっと握ってあげてくださいまし。ここまで来て、お姉さまのことをお嫌いなはずもないのに!
久音お姉さまも久音お姉さまですわ。こちらの時代では、姫方のほうからお手を出したって少しもおかしくありませんのに!
あと一歩、あと一歩ですわ。もう、お二人とも、まこと奥ゆかしいことで...」
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という一幕ということで...
ユーザー企画「#花火大会」にひとつ前の『火樹眺望』の続きです。ぜひ2作続けてご覧ください。
https://www.chichi-pui.com/posts/d05f0e8b-d35d-4e14-97c4-277063ebdce5/
もう1作は和服少女の雪音で一枚なのです。
ちびキャラと設定→ https://www.chichi-pui.com/posts/736bc62b-1957-4756-9b20-5382353243b6/
おまけの2枚目は雪音さんが脳内で計画していた、二人がこうなってほしいという妄想です。😸
タイトルの「銀花遠景」(ぎんか・えんけい)は特に四文字熟語がある訳ではなくて、美しい花火や町の夜景を示す中国由来のことば「火樹銀花」(かじゅぎんか)を、遠くより眺むるといった風情で考えた造語でありまする。
和風少女が遠くから眺むるのは、豪華絢爛夜空の花か、それとも咲きそうで咲かぬ地上の花か...といったところで、花火大会に献上せし二品、これにて仕舞いでございまする。(。・∀・)ノ゙
モデル:YakiDofuMix v1 + 加工
フォント:しっぽり明朝、Sacramento
【追記】空に花開く夜に物語が続いている2作で花火大会に献上、2024年7月16日のデイリー13位、Stable Diffusionデイリー2位と健闘にて候🎉多数のご来訪ありがとうございました。たまや~🎇かぎや~🎇
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 30
- Scale 7.5
- Seed 819230833
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0.55
- Noise
- Steps 30
- Scale 7.5
- Seed 819230833
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0.55