迷宮の館
疲れて眠ってしまう時間を除いて、私は出口を求めて彷徨い続けている。
大きな館なのに誰もいない。窓は沢山あるのに開かない。ドアや窓を破壊してもすぐに修復される。
不思議なことに眠気以外の生理現象がない。
お腹は空かないし、喉も乾かない。それに対する生理現象もない。
ひたすら出口を求めて彷徨い続けているに疲れない。そして一定時間過ぎると自然と眠くなり意識を失う。
私は分かっている。こんな出鱈目な世界は「夢」の世界だけだ。
しかし私は眠っても目覚めるのは、この迷宮の館の中なのだ。本当の意味で私は夢から目覚めないのだ。
眠くなってきた。唯一の救いは眠ることだけだろう。
自分が誰かとの記憶も曖昧になってきている。
次に目覚める時に私は私でいられるのかとの問いに、答えの間もなく意識は無くなった。
呪文
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