新しき竜の巫女
森の奥地、と言ってもエルフの手が入った里もあれば前人未到の地まで当のエルフェアルですら未だに全域を把握しきれているわけではない。
エルザは精霊や木々に確認しながら歩いて三日ほどかかってたどり着いた。
「ようこそ、最も新しき、深淵竜の巫女よ」
「ようこそ、森を守る竜を祀る神殿に」
そこには巫女がエルザを待っていた。
あの日、竜を見送った後にエルザはエルフェアルの軍隊に無事保護された。同じ部隊にいた仲間たちも無事であったことを泣きながら喜んだのであったのだが話はそれだけでは終わらなかった。
様々な要因があったもののエルザが竜……深淵竜ネレスティアを目覚めさせた一因ではないかとされたのだ。もちろんエルザはそんなことはしていないと抗議したのだが一蹴される。
祈りの声がエルフェアル全土に届いた、ネレスティアが窮地に陥ったエルフェアル軍を助けた、そして何より……あの暴れようで死者が全く出ていなかったという事実である。さらに戦乱後に分かったことだがレスランド側にも死者はいなかったということであった。そんなことを言われてもエルザには何のことかさっぱりわからなかったが、ネレスティアを通して竜の巫女がエルザのか細い「命だけは……」という言葉がネレスティアに届いたからこそ言葉通り『命』を守ったのではないかという指摘を受けたのだ。
そんなつもりで言っていない、という主張も『竜に言葉が届いた』ということで竜の巫女の適正有りという判定を受けてしまう。
「竜の巫女と言っても特別なことをするわけではないわ。なんせ普段はあの方々は寝ているだけですからね」
「森の平和をお祈りするだけのお仕事よ。ね、簡単でしょう?」
ようやく新兵として慣れてきたエルザであったがほぼ強制的に退役することとなった。
そうして竜の巫女として生きていくこととなったのである。
「……まあ、いっかあ。もう、あんな危険なことはもうないだろうしね」
結局戦場では全くの役立たずだったのだ。それがこうして役に立てるらしい居場所が出来たのならここで頑張っていこう。
エルザは前向きに考えることにして、竜の巫女として一歩を踏み出し始めた。
再びエルフェアルが窮地に陥った時の為にエルザは祈り続ける日々を送るのだった。
tips
暗き森の深淵竜・ネレスティア 神田樹さんの作品の設定をお借りしています。
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