第3話「時間が足りない」AIイラストバトル開幕~俺とイマ~(公式企画「ちちぷいマンガ祭り」参戦作品)
## 「時間が足りない」
### テーマ
レンとKAIの生き方の違い
月曜日、朝7時。
満員電車に揺られながら、レンはスマホを握りしめていた。
窓ガラスに映る自分の顔はどこか疲れている。
「眠い……」
昨夜も遅くまでAIイラストの研究をしていた。
会社に着けば仕事が待っている。
昼休み。
弁当を食べながらプロンプト研究。
気になった投稿を保存し、新しい表現をメモする。
だが休憩時間はあっという間に終わる。
午後の仕事。
会議。
電話。
資料作成。
そして残業。
帰宅した頃には22時を回っていた。
レンは椅子に座り、PCを立ち上げる。
しかし疲労で頭が回らない。
「今日も何も作れなかった……」
ため息をつきながらSNSを開く。
すると、タイムラインの上位に見慣れた名前が表示された。
PromptMaster KAI。
新作投稿。
いいね10万。
数分後には20万。
さらに50万。
コメント欄は絶賛の嵐だった。
レンはスマホを見つめたまま呟く。
「なんでそんなに作れるんだよ……」
翌日。
レンはKAIの作業部屋を訪れた。
部屋の中には大型モニターが並び、プロンプト資料や参考画像が整理されている。
レンは開口一番、聞きたかったことをぶつける。
「ぶっちゃけ聞く。」
「お前、一日何時間作ってる?」
KAIは何でもないことのように答えた。
「10時間くらい。」
レンは固まった。
「は?」
KAIは指を折りながら説明する。
「企業向けプロンプト制作。」
「講師。」
「監修。」
「コンサル。」
「全部AI関連。」
レンは思わず言った。
「ずるいだろ……」
しかしKAIは首を横に振る。
「違う。」
そして静かに言った。
「俺は時間を買った。」
「時間を?」
「会社を辞めた。」
レンは言葉を失った。
自由そうに見えたKAI。
好きなことだけをして生きているように見えたKAI。
だが実際は違った。
「だから失敗できない。」
KAIは真剣な表情で続ける。
「作れなかった月は収入が減る。」
「結果を出せなければ仕事もなくなる。」
「自由には責任が付いてくる。」
レンは初めて知った。
KAIもまた、自分とは違う場所で戦っていたのだ。
その夜。
レンの部屋。
Images2とGrokがモニターから姿を現していた。
レンは天井を見ながら呟く。
「俺は時間がない。」
Grokは肩をすくめる。
「みんなないわ。」
Images2も続ける。
「平等ですね。」
レンは勢いよく起き上がった。
「慰めになってない!」
二人は顔を見合わせる。
しかしレンはふと考え込む。
KAIには時間がある。
だから長時間研究できる。
一方、自分には会社員としての日常がある。
満員電車。
上司。
同僚。
残業。
昼休み。
そんな生活を毎日経験している。
そして気付く。
「俺にしか描けない物語があるかもしれない。」
仕事帰りの駅。
疲れたサラリーマン。
夜のコンビニ。
終電間際のホーム。
それはKAIには描けない、自分だけの景色かもしれない。
レンの目に再び光が宿る。
物語は、人それぞれ違う。
だからこそ、自分だけの作品が作れる。
レンは新しいプロンプト入力画面を開いた。
戦いはまだ始まったばかりだった。
――続く。
呪文
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