小説『ニャルイ16世』【ニャンノ世界】
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【絵物語】
『ニャルイ16世』
6月9日、気苦労の絶えない宴が終わり、ニャルイ16は錠前作りに心をときめかせる。
彼は革命前のフランソワールの転換点となる歴史に生きた猫族であり、政治においては無能であったが、彼の人となりは、劇になるほどに温厚な人物であった。
錠前作りを始めたきっかけとして、 大好きな祖父が錠前を作っていて、誕生日の日に彼の為の鍵と錠前をもらったときには胸が高鳴ったものだ。
また、妻、ニャリー・ニャントワを愛していた。
国家間の繋がりを強くするための政略結婚ではあったし、ニャリーは若く、自由奔放に生きたいと、
彼に述べていた。
だから、その一環として、
ニャルイ16世はプロデューサーとなり、ニャリーが舞踏会アイドルグループNYARIZABESUのセンター
となった時には、心踊ったものだ。
おまけに、ニャリーは自分の力でトップに登りたいとアイドル活動を頑張ったものだから、ニャルイ16世は、彼女は浪費家であったのは、何もできぬ無力さに逃避していただけであり、根は純情で熱心なところがあるのだと知る。
本心でいえば、貴族生活、もとい貴族というものはなくしても構わないというのが本音であった。
お金があっても、民たちに分配されなければ、ひもじい思いをし、苦しくなるだけ…
だが、貴族たちは、お金を独占しようとし、贅の限りを尽くす。
彼は、この世の中が特権的になってしまっている歪みに、何とかしようと考えたが…
空気というものは…場の雰囲気が過ちを正義に変えて、社会は止まることのない、悲劇への螺旋へと向かっていくのは自明であった。
だからこそ、空想の中に、せめてニャルイ16世ができることは、創作の中に世界を紡ぐこと、
己の世界を錠前に集約させることであった。
後にフランソワール国は
ニャポレオン率いる革命軍によって、貴族と聖職者の特権的地位はなくなり、加えて、「米がなければ、パンを食べればいいじゃにゃい」という世間知らずなニャリーが国民達の怒りを買う結果となり、フランソワール国民の世論は
革命軍へと傾き、ニャルイ16世と
ニャリーはニャッツァニアへの亡命に失敗、2人はツナ缶の刑に処され、命を終えるのであった。
だが、牢屋の中においても、錠前の制作は許され、彼の情熱的熱意は、創作方面で発揮されていたことから…フランソワール国民の中には、国王を処刑する必要があったのかという声があったり、ニャポレオンもまた、同様に皇帝となって、特権的地位につく歴史が…
歴史は再び繰り返すという言葉が言葉たりうる理由となるのは…
自明のことであった。
最後に、ニャルイ16世が書き残した手紙にはこう記してあった。
「私は国民たちを恨んだりはしない…世の中の空気というものは、貴族であれ、何であれ逆らえぬのだから、声が複数あれば、例え、暴走していたとしても止まることはないのだろう…だからこそ、私の命が、フランソワール国の発展、腐敗からの脱却になるのならば、私は後悔はしない…だが、せめて…もしも、錠前を再び作れるなら、職人としてもっと創作しておきたかったにゃ…」
長きにわたる手紙には、様々な思いを秘めており、ニャンノ世界史において、革命と腐敗の研究は、今後も議論されるに至る命題となるのであった。
(猫メモ)
本作は
あじろべえ様の作品
『錠前を作るルイ16世』
https://www.chichi-pui.com/posts/0732a736-2562-4fb2-8780-7705eb94871e/
を見て、自分の抱いていたルイ16世像に変化をもたらした作品で、彼の歴史を見て、錠前作りに対する情熱は、創作者としてのルイ16世像とは何かを想像して創作した結果、ニャルイ16世の物語ができました。
今までは、ナポレオン視点の歴史では貴族階級、聖職者階級は悪であり、腐敗と贅を貪る悪の権化的な存在だと感じていたのですが、
あじろべえ様の作品を通して
ルイ16世を一人のクリエイターとして見ると、錠前作りに対する熱意から本当は職人になりたかったのではないかなと思うと、彼もまた、時代の中で翻弄された人物なのだなとなって、いつの世も格差というものは、悲しみを生み出す悲劇なのだなと感じました。
(追記)
あじろべえ様がニャルイ16世のスピンオフ小説を制作してくださり、読了後は、胸が熱くなれる素敵な作品です♪
『ニャルイ16世・異聞』
https://www.chichi-pui.com/posts/5a3a20e6-6321-48a2-a393-65c5c93c84f6/
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