徒花
ただ滲むように、濁った闇の中で。
人の形をした“それ”は、確かに笑っていた。
――名前のない怪異。
街に現れ、記憶を喰らい、存在を侵す。
それを、誰も知らない。
誰も気づけない。
けれど、彼女だけは視えていた。
黒い制服。
赤い刃。
そして、誰にも知られないまま“何か”を斬り続ける少女。
刀を抜くたび、記憶が削れる。
斬るたびに、自分が“何者だったのか”が失われていく。
それでも、手は止まらない。
静かに、怪異が断たれる。
音もなく。光もなく。
ただ世界が、ほんの少しだけ“修正”されるだけ。
だから今日も少女は、
“存在しない敵”を、“存在しない場所”で、静かに屠り続けている。
呪文
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 25046886
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 25046886
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1