マッドサイエンティストは叫ぶ その3「化学部部長の異能考察・2限目」
その化学部部室で、唐突に少女…化学部部長が語りだす。
「クラークの三法則というのを知っているかな、助手くん?」
「あの、部長?」
「そう、『充分に発達した科学は魔法と区別がつかない』が有名だね。3つの法則を読むと、“この世にあるものは科学でだいたい説明可能”っていう、かの有名なSF作家からのメッセージなんだが」
「聞いてます部長?」
「では、セントレイクの人々が使う“魔法”とは何なのか?我らヒノイの元の世界にもあったオカルテズムに属する空想の産物なのかはたまた科学で体系立てて説明できるものなのか。ノーマの異能やシラクレナの人々が使う陰陽師や妖術との類似性はなどなど研究者としては非常に興味が尽きないのだよ助手くn」
「話を聞けこのマッドサイエンティスト!」ゴンッ!
「ぐおぉぉ…!!痛いじゃないか助手くん!?頭にグーパンチだなんて私の貴重な脳細胞が死滅したら責任を取ってくれるのかい!?」
助手くんの本気パンチを受けてのたうち回る化学部部長。
「話聞かないからですよ。…ところで何なんですかそのつけ耳は?」
「ああ、私が開発したエルフ擬態用のつけ耳だ」
「つけ耳?なんでまた…」
「それはもちろん、セントレイクに行って魔法の使える現地人を“サンプル”として確保する際に油断させるための変装……あっ」
「アンタは!またとんでもないことを……!!」
「離せっ!離せ助手くん!科学の発展の為には必要なことなんだ!はーーなーーせーー!!」
学究の学び舎に、本日もマッドサイエンティストの叫びが木霊する……
呪文
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