森火事
森が燃えていた。
エルフェアルの民達にとって森は故郷であり、そして共に生きる友であった。
――それが燃えていた。
「何故、こんな酷いことができる……っ!!グランゼンの奴らめ……!アイツら、人間じゃねぇ……っ!!」
「絶対に許さない……」
「お家が……お家が燃えちゃう……やだよぉ……!」
森の民達の嘆きが、轟々とした赤に包まれる、そんな絶望の夜が始まった――
時を遡り、数刻前。
「――本当に、やるのか」
エルフェアルの森。グランゼンとの国境近くの辺境地帯。
外套のフードを深く被った工作部隊が松明を片手に集まっていた。
「問題ない。奴らはグランゼンの仕業だと思うだろう」
彼らはグランゼンの兵でも、ウェスティリアの兵でも……当然、エルフェアルの兵ですらない。
そう、レスランドの工作兵達だ。
彼らは目線で合図を受け、その手に掲げた炎を地面へと捨てる。
「くくく……木々が燃えれば、グランゼンへもダメージが入る。一石二鳥ってやつだな」
捨てられた悪意は、撒かれた油へと燃え移る――
この事件を元に、グランゼンとエルフェアルの戦火はまるで森火事のように激しくなっていく。
その裏側に、レスランドの陰謀と工作が存在した事がわかるのは、ずっとずっと先の事だ。
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