タキシード少女
「お嬢様〜! 今日もお美しいですねぇ♡」
そう言いながら、タキシード姿の少女は、ニヤニヤしながら近づいてきた。
彼女はお嬢様付きの護衛……のはずなのに、何故か日々お嬢様をからかうのが趣味になっている。
「……、今日はおとなしくしていなさいよ?」
お嬢様は冷たく言い放つ。だが、それすらも彼女にとってはご褒美だった。
「はぁ〜い♡ ですが! ですが!! 今日こそ、私はお嬢様のために、命をかけた行動を取らねばならないのです!!」
「……嫌な予感しかしないわね」
「では、いざ!!」
むにゅっ
「――ッッ!!!???」
お嬢様の目が見開かれる。
彼女は一瞬の隙をつき、見事にお嬢様の胸を揉みしだいていた。
「……ふむ、やはり今日も最高のコンディションですね、お嬢様!!」
「おま……な、ななななにをしているのよ!!??」
「いやぁ、健康チェックですよ健康チェック! 毎日触らないと、状態が分かりませんので!」
「そんな健康チェックがあるかぁぁ!!!」
バチーーン!!!
お嬢様の豪快な平手打ちが炸裂した。
「ぐはっ……! しかし! この痛みすらも、お嬢様の愛……!!」
「愛じゃないわよ、ただの制裁よ!!」
「ふふっ、お嬢様の手のぬくもり……ほのかに残ってますね♡」
「もうっ!! この変態ーーッ!!」
――こうして、変態タキシード少女の暴走は、今日も懲りることなく続くのだった。
呪文
入力なし