稲荷神社の初代巫女と名無しの野良
「そう言われても、晴(せい)殿に勝てる気がしないのだが…」
「じゃあ、ボクを転ばせるか膝をつかせることができたら、今日の酒は奢りにしよう」
「…参る!」
時代はxxx年遡り、初代巫女に相対するはここ数か月、居候をしていた名無しの野良。
両親は妖狐眷属とも無関係な普通の狐だったが、突然変異で人化の術を扱えるほどの妖力と生命力をもってしまったある種、不幸な狐。
家族と別れてからというもの自分が何者か掴めないまま人里と山を行ったり来たり、やがて見た目が似ている眷属達の存在の噂を聞きつけて旧・稲荷神社へ流れ着いていた。
時折掃除などの雑用を手伝って対価に酒をもらうしかやることもなく暇を持て余していた名も無き狐は、いつの間にか他の眷属との身分差と多忙で窮屈を感じていた初代巫女の息抜き相手が役目になっていた。
その息抜きという名目の剣技修練につきあわされているうち、初代巫女以外誰も扱えなかった一撃必殺の剣を習得してしまったらしい。
1枚目は稲荷神社の初代巫女。
2枚目は初代巫女と相対するもう一匹の狐。この時はまだ名前がありません。
呪文
入力なし