お家再興のために身を捧げたお嬢様 ①政略婚約
魔物に当主が敗北したために落ちぶれた名門退魔士一門、姫川家。
再興を目指す少女姫川明夜とその一門の仲間たちが織り成す、戦いと愛と凌辱の物語。
「お家再興のために身を捧げたお嬢様」
始まります。
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退魔の名門──ほんの少し前まで、姫川家はそう呼ばれる一家だった。
才気に溢れた当主と、その夫により多くの魔物を調伏。
その娘の明夜は、強大な魔力を持ち、歴代最強の退魔士となれる素質を持つと言われ、誰もがその明るい未来を疑わなかった。
だが──
満月の夜、大量の狼男の襲撃を受け、姫川家本家は壊滅。
娘の明夜は他の魔物の調伏に出ていたため無事だったが、当主とその夫、そして多くの優秀な退魔士を失った姫川家は短い間に没落への道を歩むことになる。
それから数年後──
「そうですか。ついに、私の当主就任が認められたんですね」
弦を武器に戦う姫川流の訓練のために和琴を奏でていた明夜は、母の代から仕えてくれている、爺やに明夜は微笑を返す。
「はい。これで姫川家の再興が叶います!」
父母を失った時にはまだ小学生だった明夜は、類まれなる美貌を持つ少女へと成長を遂げていた。
まるで人形のようと評される容姿は、纏った着物によってさらに光り輝き、多くの人々の目を引くことになった。
年の割にやや幼い容貌であり、身体はまだまだ成長過程ではあったが、それはむしろ、今だけの美しさであり、彼女の魅力を損なうものではなかった。
「明夜様が諦めずに一門を束ねてくれたからですよ」
「私は爺やや、みんなに支えられただけです。先頭に立って魔物と戦う以外のことが何も出来ないのが歯がゆかったですが」
「そういうところを皆も認めているのですよ。さすがにここ最近の討伐の実績は無視できなかったようです」
歴代最高の退魔士になれると言われたその実力に偽りはなく、明夜は残った仲間たちと共に日々、魔物の調伏に走り回っていた。
その努力がついに認められ、明夜は退魔の名門、姫川家を継ぐことを、退魔協会から認められたのだ。
「ただ、早急に片づけないといけない問題があります」
「負債、ですよね」
家屋敷を売り払っても、とても足りない負債を突然の両親の死によって抱えてしまっていることは、明夜も理解していた。
そして、その解決策が一つしかないことも。
「……当主就任は、私の価値を上げることになりましたか?」
「それはもう。ですが……本当によろしいのですか?」
「ええ。元々、望む相手と結ばれることなど出来ない身でしたから」
政略結婚──
家の決めた相手と結婚し子供を成すことは、もう少女にとっては当たり前のこととして刷り込まれていた。
元々類まれなる美貌を持つうえに、退魔の名門の当主、とくれば、私財をなげうっても手に入れたい男は後を絶たないだろう。
「むしろ、その方にも一生負債を背負わせることになることは、申し訳なく思っています」
負債は莫大であり、相手方の家も傾くことは間違いない。
「私にできることは、その方に身も心も捧げ誠心誠意尽くすことだけです」
当主として家のために身を捧げる。
その覚悟はすでに固まっていた。
「いえ。実は負債を一括で肩代わりしてくれる方が、名乗りをあげております。というか……その方の圧力で他の方は排除されました」
「一括で!? そんなことが出来る資産家なんて……」
言葉の途中で明夜はその対象に思い当たる。
退魔会の重鎮であり……姫川家再興の嘆願をしに行くたびに、下卑た目で自分を見ていた男の姿に明夜は怖気をふるう。
(一体、いくつ年が離れていると思ってるの?)
昔に妻を亡くしていて結婚そのものには問題はない。
だが、その孫が明夜と明夜の年齢はそれ程変わらなかったはずだった。
「どうします? やはりお断りを──」
「いいえ。一括で肩代わりしていただけるなら、拒む理由はありません」
そう。選択の余地などないのだ。
拒めば、恐らく当主就任の話そのものが流れるのだから。
「お話を進めてください。よろしくお願いします。
「……分かりました」
様々なものを諦め、決意を固めた少女は、和琴の練習へと戻っていく。
そのもの悲しい音色は……皮肉なことに、少女が今まで奏でてきたなかで一番の情感を伴っていた。
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さて。次回は最初の竿役のキモオヤジが登場となります。
全部18禁カテゴリにしたいので、エロいのがない場面でも差分に18禁絵を脈絡なくてもぶち込んでいきます!
脈絡ない場合は生成中のボツカットを後悔していく方向です。
続きはこちら↓
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呪文
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