その商人、危険につき。
交渉の席についた眼前の若者からは、年不相応のプレッシャーが静かに伝わってくる。まるで百戦錬磨の商人を相手取るかのような緊張を感じ、口の渇きを覚えた。ウェスティリア三大商会に次ぐ力があるとの噂は真のようだ。
「まさか代表の貴方が直々にお見え下さるとは光栄です。噂通りお若くていらっしゃいますな。」
"若獅子"の異名で呼ばれるこの商人は、巷の話では平民からの成り上がりだとか。その身一つから商会を立ち上げ、わずか数年で国内有数の規模にまで大きくしてみせた手腕は恐るべきものだ。エルフェアルにいても度々話題に上がる。此度の戦乱に乗じて勢いは増し、その影では黒い噂も耳にしてきた。
「では、早速本題ですが。この度の二国間資源協定を受けて、我が社も販路拡大を――。」
商談を進めるにつれて、いつの間にか追い詰められている感覚が強まる。資料に視線を落としつつ対面の様子を探れば、表情にこそ出してはいないが、餌を目に前に爛々と目を輝かせる獅子がそこにいた。まるで餌場に誘い込まれた獲物になった気分だった。
無事に一切を終えて、部屋を後にした若き商人の背を見送る。気圧されていたからだろうか?かつて無いほどに疲労を感じ、ソファに深くもたれた。
(なんとか食い下がったが……完敗だな。)
いずれは国すら呑み込むほどの大獅子になりかねない。そんな予感すらした。
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 20
- Scale 7
- Seed
- Sampler
- Strength
- Noise
- Steps 20
- Scale 7