不幸の幸子ちゃん〜さよならヘビ神様編〜ep.2 白蛇と黒蛇
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翌日の朝。幸子は登校中、昨日の恐怖を振り払うように努めて明るく振る舞っていたが、顔には絆創膏、手には包帯が巻かれている(昨日の転んだ傷や、朝起きたらベッドから落ちていた等の地味な不幸によるもの)。
幸子「昨日の車、本当に怖かったなぁ…。でも、ギリギリで止まってくれたし、やっぱり私、まだ運があるのかも!?」
ポジティブに考えようとする幸子の頭上、電柱の上に白蛇神様がとぐろを巻いて見下ろしている。
ヘビ神様「(フン、運がいいだと? 私が助けてやったことにも気づかず…能天気な娘だこと)」
ヘビ神様はため息をつく。
ヘビ神様「(しかし、あの黒蛇…封印が解けたばかりで気が立っている。放っておくと、私の大事な『おもちゃ』が本当に壊されてしまう)」
放課後、白蛇神社の境内。 ヘビ神様は自分の社(やしろ)に戻っていたが、そこには既に先客がいた。社殿の屋根に、黒蛇が不敵な笑みを浮かべて居座っている。
黒蛇「遅かったな、白蛇。随分とあの緑髪の小娘にご執心のようじゃないか」
ヘビ神様「私の神域に土足で入り込むとはな…。出ていけ、ここは『縁結びと幸福(表向き)』の神社だ。お前のような『破滅』を呼ぶ神がいていい場所ではない」
黒蛇「カッカするなよ。私は提案をしに来たんだ」
黒蛇は屋根からスルスルと降りてき、ヘビ神様の目の前で鎌首をもたげる。
黒蛇「お前はあの小娘を『不幸』にしたい。私はあの小娘を『絶望』させたい。目的は似たようなものだろう? 手を組まないか?」
ヘビ神様「断る! お前のやり方は美しくない。私は、あの子が『うわ〜ん!ついてないよ〜!』と泣きながらも生きていく様を見たいのだ。お前のように、物理的に消し去ったり、再起不能にするのは『不幸』の美学に反する!」
ヘビ神様はキッパリと言い放つ。
黒蛇「美学、か…。くだらん。相変わらず甘い、甘すぎるぞ白蛇」
黒蛇の目が赤く怪しく光る。
黒蛇「交渉決裂だな。なら、勝負と行こうか。お前が守り切れるか、私が壊し尽くすか…。明日に学校へ行く。あの子の『居場所』を少しばかり揺らしてやろう」
黒蛇は黒い霧となり、その場から消え去った。
ヘビ神様「(学校だと…!? 一般人を巻き込む気か、あの野郎…!)」
ヘビ神様は、悔しそうに拳(尻尾?)を地面に叩きつけた。
次回予告
幸子「は〜い幸子です。なんか明日、学校で調理実習があるんだけど、嫌な予感がするのよね…。包丁とか火とか、私の不幸スキルと相性最悪じゃない!? 次回、ep.3 炎上!恐怖の調理実習 お楽しみに。」
404号室さん企画「爪をお題にしてみよう」
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呪文
入力なし