寸分の狂いも見せない殺し屋 玄猫ヤマト
「…」
何も言わない、何の感情も湧かない。
あるのは、羨望に対する銃撃のみで、
名前すらも忘れた。
「誰ですか…」
こうして、大切な名前すらも
ゴミ箱に捨てた玄猫ヤマトは
迷いなく対象に銃を撃つことで
黒猫組ひいては数多の組織に
指名がかかることとなったが、
使えるのは黒猫組だけと決めていた。
「やつはなかなかにやるな…」
黒猫組の矢倉は彼を尊敬の念で見ていた。
だが、とうの本人は、
どうでもよく、ましてや、
命すらもどうでもよかった。
「矢倉さん、次は誰を」
「コイツだ」
写真を見て即座に行動に移す
他人の物語を考える優しさは
もうなかった。
呪文
入力なし