いざゆかん、空の果てのその先へ④
姫「またここに戻ってくるなんて、思ってもみなかったわ。無我夢中で城を飛び出して色んなところを旅して。まさかここに、『空の果ての先』の手掛かりがあるなんて、、、ん?というか、先にそれを知ってたらこんな遠回りしなくて良かったんじゃない!?そもそも、仮に『空の果ての先』を見つけたとして、そのあとは?、、私は、見つけてどうしたかったんだろう?」
城下町の入り口へ通じる道でそんなことを考えていたその時、
「ステラ」
お姫様の名を呼ぶ声がした。厳しさの中に心地良い優しさを感じる、とても懐かしく聞き馴染みのある声。
ステラ「お母様、、」
母「ステラ、やっと帰ってきてくれましたね。」
ステラ「お母様、あの、私ー」
母「『空の果ての先』へは、辿り着けましたか?」
ステラ「え!?お母様、なぜそれを!?私、誰にも言わずに飛び出したのに!」
母「なぜって、、、だってこれは私が仕組んだんですもの。」
ステラ「、、、は?」
母「大変だったのよ〜、まず国中に噂を流してあなたの耳に入れるのとか、近くの町の人達にうちのステラが来たらうさぎ精霊のところへ向かわせて息抜きさせてやってほしいとか、最終的に水晶の元へ向かわせるようあなたを陰で見守らせてた護衛に先回りさせて色々『空の果ての先』の噂広めてもらったりとか。あ、あと水晶をあそこに置くのも苦労したわねぇ〜」
ステラ「はーー!?💦え、ち、ちょっと待って!じゃあ、今までの旅は!?あんなに散々苦労したのは何だったの!?」
お姫様は、今日までの様々な出来事を思い出す。そして、
ステラ「、、、そもそも、、『空の果ての先』なんて、、、どこにもなかったのね?今までの旅も全部無駄だったんだ。なんだ、、バカみたい私」
うつむき、やがて膝から崩れ落ちてしまう。それを、母が優しく包み込む。
母「無駄なんかじゃないわ、私がどうしてこんな事をしたかわかる?それはね、あなたに立派になってほしかったからなの。己の道を自ら切り開き、選択し、突き進む。部屋にこもって退屈そうにしているあなたを見て、このままでは立派な女王にはなれないと思ったから。」
ステラ「お母様、、でも、『空の果ての先』はどこにもないんでしょ、、?」
母「いいえ、『空の果ての先』はちゃんとあるわ。どこまで続くかわからない空の果てのさらにその先、すなわち未来。あなたが『空の果ての先』を追い求めて続けた旅は、それはあなたがあなた自身の『未来』を追い求めた旅でもあるのよ。」
ステラ「私の、『未来』を追い求めた旅、、。」
母「さぁ、帰りましょう。あなたの成長した姿を待ち望んでいる人達が、あなたの帰りを待ってるわ。」
ステラ「お母様、、、ありがとう、、私頑張る!頑張ってお母様に負けない立派な女王様になってみせるわ!」
「姫様ー!」
「お帰りなさいー!」
「待ってましたよー!」
一夜明け、国の民衆の前に姿を見せたお姫様。あの日まで退屈に見えていたこの国が、今では輝かしい未来に溢れているように見える。
ステラ「自分の未来は自分で切り開き、選択し、突き進む。それはこの国の未来を私が決めるという事。こんなの、退屈なんて言ってる場合じゃない、、、やるっきゃないでしょ‼️」
かくして、お姫様の長く険しい旅は終わりを告げた。そして星の国の姫ステラは、己の中だけに存在する『空の果ての先』を目指し、再び歩き始めたとさ。
ステラ「いざゆかん、空の果てのその先へ‼️」
〜fin〜
①
https://www.chichi-pui.com/posts/d4e4019d-53d7-4b0b-82b3-61d516cce514/
②
https://www.chichi-pui.com/posts/f00462cf-883a-4fa8-9de1-82ea7b2e1be6/
③
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※運営様、短編企画なのにどんどん長くなってしまって、本当に申し訳ありません💦
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