男は背中で語る
本人はそう思っていないだろうが、彼の笑いは見下し冷笑と誤解される。本当に面倒な奴ではある。
彼は机上の講義などまるで聞いておらず、講義担当教官から目の敵にされていた。
ただ、模擬戦になると負け知らずだった。あまりの完勝ぶりに、苛立った教官が5倍の兵力差で模擬戦を命令した。
彼は最初目を丸くした後、軽く笑って了承した。
模擬戦序盤の状況は5倍の兵力の教官側から、彼の部隊はひたすら逃げ回った。
教官は、無様だと最初笑っていたが次第に表情が引きつり、青くなっていった。
逃げて逃げて兵站が伸びきった時に戦闘部隊を人為的ながけ崩れで兵站部隊と分断、兵站部隊を武装解除させ宿営地に戻るように指示かつ余分な兵站物資をすべて焼却した。
(兵站部隊を武装解除のみとしたのは、決して温情ではない。5倍の敵戦力にたいし武器・弾薬の節約である。兵站部隊への攻撃は余分な弾薬と兵士の体力消耗の無駄と判断し、通信手段のない徒歩で帰る兵站部隊の移動速度と攻撃部隊の連絡不備の時間差で各個撃破する方策を取った。兵站部隊が来ないことを示唆すれば戦闘部隊の士気は大幅に低下するのである)
その後、情報の目と耳である司令部を小部隊で急襲制圧し偽情報で各部隊を混乱させ、偽情報を信じた各部隊を各個撃破して模擬戦は終わった。
まるで鶏舎の中で逃げられない七面鳥を、夏祭りの射的のように一羽一羽射殺するようであったと言う。(訓練です (;^ω^))
判定結果は教官側の5倍の兵力の7割を喪失、反対に奴の部隊の損失は2割以下であった。
あまりに常識外で卑怯すぎるとの教官の反論により、正式記録とはならなかった。
その判定結果に、彼は反論せず少し笑って頭を下げた。去っていく彼の後ろ姿は冷笑そのものだった。
後日、現実の戦闘で彼は5倍の敵兵力を無力化することに成功している。
俺は彼の副官として従軍している。転属も希望していない。
少なくとも彼の部隊に居れば、戦死の確率は大幅に低くなる。
まあ、まだ死にたくないからな・・・
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 20
- Scale 5
- Seed 3941540148
- Sampler k_euler_ancestral
- Strength
- Noise
- Steps 20
- Scale 5
- Seed 3941540148
- Sampler k_euler_ancestral