エッセイ「朝方のギャル」
「朝方のギャル」
寒風吹きすさぶ繁華街で、私は遅い朝食を済ませた。
外出先へと向かう駅の途中、朝には似つかわしくないテンションの男女4人組と歩を同じくする瞬間があった。
はしゃぎながらも男の子の優しい眼差し、彼氏であろうか。
女の子達はさらに上機嫌で、そこ跳び箱やってよ!と股下くらいの車止めポールを指す。それに応える男の子達。大きな声で笑う女の子。
朝まで親密な雰囲気で飲み明かしていたのであろうか。
かしましいながらも微笑ましい風景であった。
そのうち、女の子はパチンコ屋の前で立ち止まる。
そして大声で前を歩く男の子を呼びとめる。
「ねえ、打ってから帰ろうよ!」
私は男の子の気持ちを案じた。
早く家に帰りたかろう、と。
今、穴に入れたいのは玉ではないだろう、と。
待ちたまえ若者たちよ、これから君たちが弄ぶべき玉の色は、銀色ではないはずだ、と、私は言いかけた。
だが、玉遊びも射幸心。
その後の恋人達の遊びにスパイスを加えるとしたら、ある種の事前の戯れの一つと言えるかもしれない。
余計なお節介を飲み込んで、私は背中で彼女らの嬌声を感じながら、仕事へと向かった。
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