今週末、空いてるかな?
なに、行事も一段落したし、打ち上げでもどうかと思ってね。
ん? メンバー? もちろん、会計のキミも含めて、生徒会全員さ。
今年は特に忙しかったから、皆の労をねぎらいたいと思ってね。
会費は私が持つ。会長としての、ささやかな感謝の気持ちだよ。
え? その日は予定があっていけない?
そ、そうか……予定があるならしかたないな。
ウギュ!? 彼女の誕生日だから!?
か、彼女いたのか、キミ……。
いや、失礼な意味じゃないぞ。
キミは誤解されやすいタイプだと思っていたから……。
なんせ無愛想だし、ちょっと意地悪だし、女心もわからないし、その上とっつきにくいから、これはモテないだろうと……い、いや、悪口を言ってるんじゃないぞ、私はキミが責任感があって、急場にあっては機転も効いて、ホントはとてもやさしいということを知ってるつもりだ。私だけが知ってるつもりだったのだが……。
ちなみにその彼女とはいつから付き合い始めたんだ?
えぇー、幼なじみで中学の時からもう付き合ってたの?
この1年間、ぜんぜんそんな素振りなかったじゃない。
枯れてそうに見えて、アオハル真っ只中かよ!
あー……なんかどっと疲れたわ……。
キミ、もう用事は済んだから、上がっていいよ。
私は……私はもう少し、この書類を片付けてから帰るよ……さあ、部屋を出てくれたまえ。
え? 泣いてるって? 泣いてなんかないよ、グスッ、いや、目にゴミが入ったかもな……いいから早く……ウギュ……帰って……
(パタンと扉の閉じる音がして、彼が部屋を出ていく)
……う、うう、うわあぁぁぁぁん! なんで彼女いるの!?
ひどいよお……、
私だってキミのこと好きだよう!
私だってアオハルしたいよ、キミと。
ウウ、グスッグスッ……。
(涙の数だけ強くなれるよ)
呪文
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