小説『テミスチョウゾウ』【ニャンノ世界】
『テミスチョウゾウ』
日常と非日常の狭間
テミスチョウゾウは
彫像一家の母として、
巡るめく忙しさの中に
思いを馳せつつ
今回は、日常と非日常
というものを多角的に見つめた
ものとなっている。
ハシルチョウゾウの妻で
時折、デッサンのモデルを務めることがある。
構図は様々で、稀にトイレに座る
ことや日常風景を描く画家のモデルとなることもある。
空想に耽り、時折、
衝突する苦悩が眼前の壁となる。
目の前の壁を打ち砕くために
ハンマーをもって破壊したい
衝動…画家はテミスチョウゾウを
見ながら、常に明滅するカオスとロウの狭間にて揺れ動く波間の嵐であった。
平穏なる時、あれば
時折、牙を剥くことがある。
羅生門的な短編集
読んでても報われぬ苦悩の末に
抱く、狂騒曲
何が狂わせるのか
トイレに座り、
真っ白な背景にて、
その画家を見つめるテミスチョウゾウ
意識の混濁、
虚構の喪失など
あってはならぬと
すぐにハッとし、
キャンバスにて綴る
空想は時折悪夢となって
現れる。
これは夢か、あるいは悪夢か
考え続けるたびに
闇というものが濃くなり
それは苦悩し続けることで
見える道となれば幸いだと
言い聞かせては
星を紡ぐのだ。
呪文
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