【樹海のかみさま】夕暮れの感謝、絆と旅の終わり
【ハーメルン掲載】紫陽花の季節に会いましょう著:樹海のかみさま ーメス堕ちENDを回避したい男の娘ヒロインは闇堕ちしてみることにしたー3章26話:林間学校の終わりよりインスパイア
「君たちのお陰だ。特に犀潟くん、君が娘を説得してくれたんだろう?」
「………どうしてそう思うのですか」
「でなければ昨日の夜、私を待っていたなどとは言うまい。月潟さんは見届け人と言っていた。ならばアレをセッティングしたのは君だ」
僕は何だか気恥ずかしくなってオレンジジュースに口をつけた。100%のやつ、高いオレンジジュースは久しぶりに飲む気がする。
「娘の姿が見えていたんだろう? もしかしてあの頃のままなのだろうか」
「髪は翡翠色でした。でも見た目は12歳くらいで、とても可愛らしく頭のいい女の子でしたね」
「ははは。いい子なんだよ、翠雨は。……翠雨から、何か言われなかったかい? あの事件のこと」
「言われてないです」
咄嗟に嘘をついた。きっとこの復讐の話をすることを翠雨さまは望んでいないだろうから。
「そう、か。もし君が翠雨から何かを聞かされていたてしても、あの事件を探ることはやめた方がいい。これは元刑事としての忠告だよ」
「……………どう言う意味ですか」
「言葉通りさ。私は手を引かざるを得なくなった。その理由は簡単さ」
呪文
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