小説『観光的な散策、エルフと変身』【ニャンノ世界】
『観光的な散策、エルフと変身』
クエザ・ヴァルへイムズは
ニャンニャンダ島の景色を眺める。
「ここが、お前さんの故郷なんだな」
「まぁな…本当の故郷ってもんがなくなっちまったから、ニャンニャンダ島が故郷ってことになってる…」
メタモル爺はしみじみと
しかし、あの日の悔しさを
自分への怒りを忘れてはいなかった。
「だから、この傷なのか」
頷くメタモル爺さん、
傷は…ドラマを物語る
クエザ・ヴァルへイムズも
背負っている
心の中で確かにと…在るのだから
さて、どこに行こうかと、
お腹も空いてニャンニャンダ島の
商店街に向かう…
スーパーちちぷいもあるが、
クエザとメタモル爺さんは
地域のもんを食べたくなったのだ。
「ニャンニャンダうどんはどうだ」
「ニャンニャンダうどんか…よいだろう…」
クエザは頷き、
メタモル爺と一緒に暖簾をくぐった。
変身はエルフ、エルフは変身
麺をするすると食すクエザ
「これが、うどんか…ほうほう」
と、彼女は異国の料理を
ともすると、異世界の料理を食べることができて満足のようだ。
微笑んではいない、
なれど、笑顔…その瞳に宿りし
尊さは格別なものだ。
食べることは笑顔になること…
そのために、
あるのではなかろうかと…
うどんを食らう阿刀Patriot快空、
魚介類をベースにした汁と
細麺がマッチして、
ハーモニーを醸し出していた。
「うまい…うまい!」
ニャンニャンダうどん
地元のグルメを食すのもまた
一興であり、厳密にいえば
故郷ではない、
なれど、
何を思うか何を感じるかで
故郷というものは
絶えず変化するものなのだと
阿刀Patriot快空は
そして、クルザも思うのであった。
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