血のアムリタ
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都市伝説として語られる「原初のアムリタ」。
通常のアムリタとは違い、それは血のように赤く、どす暗い色をしているという。
そしてその一滴は、人に真なる不老......すなわち永遠の命をもたらすと言われている。
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黄昏梟がスカイペネトレイターを抑えた後、俺は仲間達と離れ、東部にある旧アムリタ製造工場へと向かった。
情報屋のアランから聞いた話では、そこにはかつて、ねじまき猫の主要研究施設が併設されていたらしい。
そこにならきっと、噂の真相に近づく何かがあるはずだ。
拠点から1時間ほど歩いたところで、目的の工場跡地にたどり着いた。
廃れ、錆びれ、夏底の植物に蹂躙された巨大な大屋根。もちろん、人がいる気配はない。
迷うことなく、俺は中に入っていった。
あたりは暗く、じめじめとした空気が漂っている。ライトをつけ、瓦礫をよけながら奥へと進んでいく。
各地を巡ってきた経験からして、アムリタ製造工場のつくりは大体同じだ。そしてどうやら、ここも例外ではないらしい。
しばらく施設内を物色していると、通常であればオペレーターの休憩室としてあてがわれているはずの部屋......その中に小さなランプが点っていることに気が付いた。
「まだ電気が通っているのか......?しかしなぜここだけ」
その光は、ドアに併設されたカードリーダーのものだった。
俺はカバンから電子開錠機を取り出すと、接続用ケーブルをカードリーダーにつないだ。
「熟練のエクスプローラーを......なめるな......よっと」
装置自体は一昔前のそれで、難なくドアを開けることに成功した。
中に入ると、そこには地下への階段が設置されていた。
「おいおい......いよいよもって臭うぜこれは......」
速まる胸の鼓動を抑えながら、意識を集中して階段を下っていく。
そして。
とてもながい階段を下った先、そこには、地味で簡素な研究スペースが広がっていた。
あちこちに、よく見るアムリタの薬瓶が転がっている。
そして部屋の最奥。そこに、それはあった。
「Rudhira」というラベルの貼られた薬瓶。注がれているのは、赤くどろどろとした液体。
この色、名称......!これだ。まちがいない!!!
「おいおい......本当に、本当にあったんだな......」
高ぶる感情に、思わず涙がこぼれる。
「エクレール、これで、ようやくお前を助け......うっ......そして、また一緒に世界の探求を......」
感涙にむせびながら、俺は薬瓶にゆっくりと手を伸ばした。
そのとき、大きく爆ぜるような音と共に、手にした薬瓶に衝撃が走った。
砕ける薬瓶に、とびちる命の薬液とガラス片。驚愕と混乱で支配された脳を傍らに、体は反射的に目を瞑った。
そして次の瞬間、俺は後頭部に強い衝撃を受け、その場に倒れ込んだ。
薄れていく意識の中、だれかの声が聞こえた。
「すべての病に光を。明日の世界のねじを巻け。だがね、ねじを巻きすぎた人形がどうなるか......おっと、君には必要のない話だね。ただこれだけは覚えておいて。終わらない夏なんてないんだ。そう、だれにだって。」
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※niji txt2img → NAI バイブストランスファー → SD(SDXLモデル) img2img & アップスケール の手順で作成
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