機動戦士ガンダム(劇場版)風 -紅蓮の残響ー
モノトーンの宇宙空間に、ひときわ鮮烈な赤が浮かび上がる。漆黒のモビルスーツのコクピット内、艶やかな赤いドレスを纏った女性が静かに座っている。ドレスは戦場に似つかわしくないほど優雅で、深紅のシルクが重力に逆らうようにふわりと揺れる。
彼女の瞳は冷静で鋭く、ヘルメットの代わりに結い上げられた髪が、戦士としての覚悟と女性としての誇りを同時に物語る。操縦桿を握る指先には、戦場の緊張感と舞踏会の気品が同居している。
外では敵機が迫る。だが彼女は微笑む。「赤い彗星」の異名は、速度だけでなく、その美しさと威厳にも由来するのだ。モニターに映る敵の動きを見据え、彼女は静かに呟く。
「踊ってあげるわ。宇宙の舞台で。」
そして、モビルスーツが赤い軌跡を描きながら加速する。まるでドレスの裾が宇宙を裂くように、彼女は戦場を舞う。
呪文
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