狐の叫び
(この話の続きです)
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(呪い憑きはコレ)
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やっと、呪い憑きを哨戒班が発見した。
最初に対峙した廃屋と湖のある場所へ戻ってきたらしい。
数日は営業を続けていた化け狐娼館も危ない呪い憑きが周囲をうろついているという噂が広まり、開店休業状態。
楼主が早急に手を打ちたいということでちょうど神社側へ相談して巫女とも連携することになった所だった。
警備隊長である彼女は最低限防備に回す以外の隊士、強力な解呪の札を扱える巫女達を引き連れて廃屋へやってきた。
神社と娼館の警備が手薄になるのはわかっていたが、目先の脅威を取り除かねば仕方がない。
「火矢!撃て!」
弓を使える隊士が物陰から一斉に姿を現し、掃射を行った。
狙いを定めて仕留める、という獣の本能と合致するのか、弓はとても狐に合っていた。
一矢も外すことなく呪い憑きに迫る。
が、廃屋の前でぼんやり立ち尽くしていただけのそれは予備動作もなしに刀をだして叩き落した。
結果、周りの草と着物の袖が燃えただけで本体には何の効果もなく。
「いっそ燃えてくれればと思ったが、無理か」
化け狐の警備隊長は、半ばわかってはいたけど、といった様子で嘆息した。
呪い憑きは袖が少し燃えたままこちらへ向けて歩き出す。
そこで、数名の隊士は、あれ、と何かに気付いたらしい。
――片腕がありません。以前は両腕ともありました。
「てことは、別物?」
――全体を見れば本物です。袖がひらひらしてるので妙だとは思ってましたが。
敵は、かっこん、がしゃ、と接合部と刀の奇怪な協奏をしながら表情もなくゆっくりこちらへ歩いてくる。
攻撃と移動の速度が全く合わないが、さっきの反応を見た以上それもいつ変化するか知れず、悠長に喋ってはいられない。
「まあ、本物でも別物でも、やるしかないけど」
この呪い憑きが本物なら、副隊長含めた5人の同時斬撃が効いていない。
隊長の自分でも隊士5人に斬りかかられて防ぐ自信はある、が、それはこの呪い憑きに自分が勝てると同義ではない。
全く勝ち目がないなら逃げたいが、隙を見せれば終わりそうな雰囲気もある。
往くか。
「副隊長――ツバキさん、頼みましたよ」
"キィッ、ヒャオーーーーーゥ"
咆哮と言い表すには甲高く細い狐の叫び。
懐まで一瞬で間合いを詰め、一匹が斬りかかった。
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狐が喧嘩してギャオギャオ言ってる動画をみることはあるんですが、『咆哮』というような迫力ある声ではありませんね。
なので「ぎゃおおおお」みたいな言葉じゃなくて細い遠吠えな感じにしました。
呪文
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