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ふわり、と目の前に彼女が降ってきた。

「気配を殺して入ってくるの、やめてくださいよ。
つい反応してしまったではないですか」

そう話す彼女と目が合った。敵意はすでに欠片も見えない。

「悪い、気をつけるよ」

あなたはセントレイクの街を歩きながら考え事をしていたのだ。
気配遮断スキルを発動させたまま、教会に入ってしまったらしい。
彼女には、通用しなかったようだが。


ーーーこの問題を解決するためには、情報が必要だ。

まずは情報を集めないと動けない。
そう判断したあなたは、孤児院で世話役をしている
顔見知りの彼女に助けを求める事にしたのだ。

彼女は裏稼業の住人である。教会に仕えながらも、
その影ではギルドの諜報員としての顔を持っている。
あなたにとっては、信頼できる友人の1人だ。

彼女は穏やかな表情であなたに尋ねた。

「どのような情報を必要とされるのですか?」

あなたは状況を説明した。
すると、彼女は微笑みながらこう言った。

「私が情報を提供できるかどうかは分かりませんが…
 試してみましょう。ただし、条件があります。」

あなたは尋ねた。
「条件?」

彼女は静かにあなたに近づき、耳元で囁いた。

「情報を提供する代わりに、報酬としてたくさんのクッキーの材料が欲しいのです。」

予想外の要求にあなたは驚き、彼女の顔を見る。
その目には子供たちへの思いやりが宿っていた。

砂糖はこの世界では高級品。
お金を出せば手に入るというものでもなく、独自の入手ルートが必要だ。
物資不足のいま、その入手難易度は更にあがっていた。

しかし、あなたはその手段を持っていた。
ーーーあの子に連絡を取るとしよう。

あなたは頷いた。
「分かった、材料を用意しよう。」

快諾の言葉に、彼女は喜んで微笑んだ。

「では、頑張らせて頂きますね!
 クッキーは、こんな状況では庶民には手の届かないものです…
 しかし、私は子供たちに分け与えたいのです。」

こんな状況でも彼女は彼女だ。
あなたはすっかり心が晴れていた。

信頼関係を築いた仲間たちとともに、
何が何でもこの戦いを終わらせ、平和を取り戻す。
あなたは改めてその決意を固めたのであった。

呪文

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