未発見の宝石
モンスターの撃破に成功し最奥地に到達したレイラが目にしたものは、荘厳な扉だった。その扉を開け、彼女が期待と不安の入り混じった気持ちで部屋に入ると、そこには何もなかった。
マテリアル。
それは、セントレイクの危機を救い、また新たな力をもたらすと言われていた不思議な力を持つ宝石。しかし、レイラの目が探る部屋の隅々には、その存在の姿はなかった。
「なぜ…ここにない。すべての伝承、情報はこの場所を指していたはずなのに。」
レイラの声は、空虚な部屋にこだまし、彼女の失望と絶望がその壁に刻み込まれる。彼女は膝を床につき、その冷たさと硬さが、彼女の失意を現実として突きつけた。
部屋の中央には、古びた台座がぽつんと立っているだけ。マテリアルが置かれていた証拠も、それを奪った者の痕跡もなかった。
「こんな…」
剣を握りしめ、再び立ち上がった。その時、部屋の隅で何かが輝くのを彼女は目にした。それはマテリアルではなく、古い紙が光を反射しているだけだった。
彼女がその紙を手に取ると、そこには未知の文字で何かが書かれていた。それは、マテリアルにまつわる新たな伝説と、それを導く鍵となる言葉だった。
レイラは、その紙を大切にしまい、ダンジョンを後にした。マテリアルを手に入れることはできなかったが、その紙には新たな希望と、未来への道が記されていた。
レイラはボロボロになった装備を新調するためにセントレイク中央首都である『エリューシア』へと向かうのであった。
呪文
入力なし