マッドサイエンティストは叫ぶ Epilogue「とある世界にて」
根源である悪神は4つの大国……ヒノイ、フェンテス、セントレイク、シラクレナの人々の尽力により倒され、世界に平和が訪れたーーー。
「……という夢を昨夜見たんだよ、助手くん」
「はぁ」
ヒノイとよく似た国のある学園。
その化学部の一室で白衣の少女が語った夢の話を、少年…「助手くん」が呆れ顔で聞いていた。
「……で、なんだって夢の中でまで部長に巻き込まれてんですか僕は?」
「知らんよ。いやぁ、しかし実に刺激的な夢だった!!異能力に超科学に魔法に妖術!ファンタスティックな内容だったよ!」
夢の中で彼女たちはグランシュライデに伝わる伝承を調べ上げ、悪神退治につながる情報を各国に伝えた。
その内容がどんなものだったか、どの様に活かされ悪神が退治されたのか…夢なのでそのへんはよく覚えてない。
「肝心なところがすっぽ抜けてるじゃないですか。……けど今どき異世界とか異能力とか安直じゃありません?どうせ夢オチならもっと斬新な内容じゃないと」
助手くんの茶化した口調がカンに触ったのか、部長が猛然と食って掛かる。
「ほほぅ。……人の夢にケチをつけようっていうのかい。いいかい助手くん。異世界の存在は物理学の世界でも理論的な可能性が語られているんだ。量子力学の多世界解釈というのがあってだね……!」
「夢の話はまた聞きますから。それより今日の部活はどうするんです?」
異世界グランシュライデ。
そこで行われた数々の冒険が夢の出来事だったのか、それとも現実だったのか…。
すべては「神のみぞ知る」というものである
呪文
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