風にゆれる、白い気持ち
誰かに貰ったのかな、それとも誰かにあげるために摘んだのかな。朝の光が透けるたび、ふわっと甘い香りがして、胸がきゅんって締めつけられる。
まだ名前も知らない気持ちみたいな、ふわふわしたやつ。
誰かのことを考えるだけで頬が熱くなって、指先が震えて、花びらがちょっとだけ震える。「大好き」って言葉はまだ重すぎて言えないから、
代わりにこの花をそっと渡したい。
髪に挿してくれたら、風が吹くたびに私の気持ちが届くかな。もし、もしも君が同じ気持ちだったら……
そのときは、私のことをちゃんと見ててね。
目を逸らさないで。
だってこれは、私が初めて勇気を出した「好き」の形なんだから。白い花は、すぐに枯れちゃうかもしれない。
でも、その前に、君の指先に触れられたら……
それだけで、私はもう、幸せすぎて泣きそう。ねえ、受け取ってくれる?
私の、はじめての白い想い。
呪文
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