アヤナギ荘の日常 #44 -Everyday Ayanagiso-
「もう始まってるよぉぉぉ!?」
水飛沫舞う戦いの幕が、いま開けた。
開始のホイッスルが鳴ると同時に、
突如として四方八方から水の飛沫が飛び交った。
あたりは一気に戦場と化し、
イチノたちの陣地にも容赦なく水が降り注ぐ。
「うわ、詩温、こっち来て! ラウル、右!右!」
「は、はい!」
「おっけー任せて!」
水しぶきの中、
イチノは声を張り上げながら味方に指示を飛ばす。
ラウルはすでに片手で二丁構え、
前線でスライディングを決めている。
詩温はというと──水を当てられるたびに、
微妙に周囲の気温が下がっている気がした。
「……ごめんなさい、その内、足元凍るかもです!」
「むしろナイス。足元狙って転ばそ!」
そしてハルマはと言うと──
「そらぁっ!
ビックスプラッシュ砲、発射あぁぁあッ!」
突貫したハルマが、
勢いよく特大水圧砲をぶっ放していたことだ。
もはや戦術もへったくれもない。
「ハルマァァァ! うちらは巻き込むなよ!」
「だって近づかないと届かないんだもーん!」
だが、なんだかんだでその混沌が
チームに勢いをもたらしていた。
バケツを背負った小学生チームをかいくぐり、
他チームの前衛を崩すことに成功。
イチノたちの
“行き当たりばったりコンビネーション”は、
意外にも猛威を振るい始める。
「……なーんだ、案外、いけそうじゃん?」
乾いた空気に混じって、笑い声と水音が響く。
イチノの目の前には、びしょ濡れに
なりながらも笑顔で走る仲間たちの姿があった。
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