鏖(みなごろし)の夜に咲く華
異能を持って生まれた私は、その力を軍事利用しようと企む政府に追われ、反政府組織のリーダーである彼と仲間たちに救われ、逃亡生活を送っていた。
しかし、私の力を欲する政府は犠牲など顧みず、あらゆる手段を使い、私と彼らを追い詰めたのだった。
「やりすぎだ、この娘一人ために、どれだけの人間を…!」
燃えさかる街の中心で、彼の視線は静かに夜空を貫いていた。
次々と仲間たちが命を落とし、逃げ延びた先の小さな廃墟。
私は彼の腕の中、深く俯いたまま小さく息をしていた。
夜の寒さを凌ぐには少し物足りなかったが、彼がいればそれだけでよかった。他はどうでもよかった。
「君のためなら…世界を敵に回しても構わない」
彼の声は静かで、凍てつくように優しかった。
その言葉は、祈りでも、告白でもない。
ただ、誰にも邪魔されない、約束された運命への宣誓だった。
世界の均衡が崩れようとも。
どれだけ多くの命が彼を「悪」と叫ぼうとも。
彼にとっても私にとっても、世界とは私達お互いただ一人だったのかも知れない。
そして、突然の爆音とともに夜空に咲いた火の花は、滅びの運命を背負った恋の最初で最後の祝福となった。
私の腕の中で彼は、とても幸せそうな笑顔を浮かべて息を引き取った。
私は、お前たちを絶対に許さない⋯
今、私の中に有るのは「鏖」の一文字だけだ。
私を止める者など、この世には存在しないだろう。
その後、夜明けまで爆音と共に咲き乱れた大輪の華は、鏖(みなごろし)の夜に咲く華と語り継がれた。
呪文
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