🌸 リコリコ ショートストーリー 【春の日の"さくら"】
桜の花びらがひらひらと舞う帰り道。
ちさととたきなは並んで歩いていた。
ちさと
『うわ〜!見てたきな、桜めっちゃきれい!春って感じ!』
たきな
『…毎年同じことを言っていませんか』
ちさと
『いいじゃん!毎年テンション上がるんだから!』
ちさとはスキップしながら前へ出る。
たきなは少し遅れて、その様子を静かに見ている。
ちさと
『ほらほら、手つないで歩こ?春っぽいし!』
たきな
『“春っぽい”の意味が分かりませんが……まあ、いいです』
(手をつなぐ)
ちさと
『えへへ〜、たきなとデートみたいだね!』
たきな
『任務帰りです』
そのとき、足元から小さな声。
ちさと
『あ、わんちゃん!かわいい〜!』
たきな
『迷い犬でしょうか』
小さなパグがちょこちょこと二人の後をついてくる。
ちさと
『ねえねえ、ついてきてるよ?これ運命じゃない?』
たきな
『運命ではなく、食べ物の匂いです』
ちさと
『えっ』
ちさとはポケットを探る。
ちさと
『あ、さっきのたい焼きの袋入ってた』
たきな
『ほら』
パグはちさとの周りをぐるぐる。
ちさと
『よし!じゃあ名前つけよっか!この子!』
たきな
『勝手に飼う流れにしないでください』
ちさと
『“さくら”とかどう?今っぽくていいじゃん!』
その瞬間――
遠くから声が響く。
???
『コタローーー!!』
ちさと
『……え』
たきな
『どうやら本名がありますね』
飼い主が走ってきて、パグを抱き上げる。
飼い主
『すみません!すぐ逃げちゃって…!』
ちさと
『あはは、大丈夫ですよ〜!“さくら”…じゃなかった、“コタロー”!』
去っていくパグを見送りながら。
ちさと
『……ねえたきな』
たきな
『なんですか』
ちさと
『“さくら”って呼んでたの、絶対気づいてないよね?』
たきな
『気づいていたら逆にすごいです』
少しの沈黙。
ちさと
『……でもさ』
たきな
『はい』
ちさと
『名前は違ったけど、いい春の思い出になったよね!』
たきな
『……はい』
そのとき、ふわりと花びらが舞い――
ちさとの頭にぺたりとくっつく。
たきな
『ちさと』
ちさと
『ん?』
たきな
『“さくら”が乗ってます』
ちさと
『え、ほんと!?』
たきな、少しだけ微笑む。
たきな
『今度は当たりましたね』
ちさと
『うまいこと言った!?それ!?』
春は、少しだけやさしく笑っていた。
━━━━━fin.
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- Steps 70
- Scale 5
- Seed 1716800244
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1
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