宴の席で
「multiple views, split views」がいい感じで決まりました。
「素敵な舞い、ありがとうございました」
「こちらこそ、舞をご披露する栄誉をいただけたこと、感謝いたします」
デザートに入ったコース席に挨拶に来た四人の花嫁たち……三人が通う学校の担任教師と彼女の大学時代からの親友三人……に三人娘のリーダー格である黒髪のアカネは優雅に頭を下げる。
新婦たちと新郎の馴れ初め……担任が大学生のころに研修のために訪れた中等学校でその男子生徒に熱烈アピールされて「じゃ、じゃぁキミがおとなになってもお嫁さんのなり手がいなかったらね」とその場限りの言葉のつもりがプロポーズの言葉になっていた……という逸話にテヤンとニアが激しく感動していたのだった。
「5つ下の旦那さまかぁ……」
「お姉さんでお嫁さんって凄いな。考えたこともなかった……」
「なにも知らない旦那さまを手取り足取り……」
「おいテヤン、グラス落とすなよ」慌てるニア。
「それはともかく、あの剣舞は良かった。ダイナミックでそのうえ綺麗で」
婚約者の言葉にアカネは笑みを浮かべる。
「練習しましたから。あなたのカトラ義母さまに特訓してもらったんだよ」
「そうそう。【海兵】仕込だからな」ニアが微笑する。
彼女たち……活発な「黄金のニア」、思慮深い銀髪のテヤン、リーダー格の黒髪のアカネ……の舞は歴史的な寓話……数百年前、「軍人皇帝」として男ながらに軍を率い、この大陸を統一にこぎつけた夫が貴族たちの裏切りで幽閉されたことを知った新妻たちが花嫁衣装のまま剣を振るって夫を救い出した……がベースになっているのだった。
もちろんそれから数百年たった今は血生臭さは一掃されて、「花嫁たちと夫の絆を願うもの」と形を変えているのだけれども。
ただ、「国王陛下の妻としてその命を捧げる」を(部隊設立200年を超えても)モットーとしている【海兵団】は部隊の最小単位となる「三人単位(スリーマンセル)」の由来がこれであると主張していた。
その海兵団の上級曹長である義母がどんな「特訓」を未来の娘たちに施したのか少し想像するだけで彼は頭痛を覚えてしまう。
「ところで」アカネが笑みを浮かべて婚約者にささやく。
「とっても素敵な式だったと思わない?」
唐突な問いかけに未来の夫は頷くしかない。
「統計によると」テヤンがしたり顔で続ける。「披露宴に参加した恋人たちはその場で結婚を決意する可能性が優位に高い」
「……結婚することはもう決めてたよ。出会ったときから」
「は、破壊力の高い返しだな。え、えっと、その……」
「前倒ししたくなるんだってさ!」恋人の直球過ぎる告白に思考停止させたテヤンをニアが強引にカバーした。
「考えてみろよ。夏休み前に式をあげたら、夏季休暇中、ずっとハネムーンだぜ!」
「学校に夫婦として通うなんて、ドラマみたいじゃないかぁ」
「……おいアカネ、テヤンはともかくニアまですごいこと言い出したぞ」
「……あたしもそれ、いいかなって思い始めてるんだ」
「風紀の話はどうしたんだ。だいたいうちの家族がそれは許さないぞ。せめて学校卒業してからだろう」
アカネはちらっとニアとテヤンに視線を送る。二人は深くうなずき、「作戦の成功が……すなわち彼女たちと彼が本当の夫婦になる時期についていまこの瞬間言質がとれたことが……成ったことを確信した。
……ありがとうございます。カトラお義母さま。
アカネは密かに少年と直接血はつながっていないものの、彼の四人の母の中で彼を最も愛している女性に内心で感謝する。
……「誘導し、退路を断って、撃破せよ」の教え。参考になりました……。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 70
- Scale 11.0
- Seed 587677464
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras
- Strength
- Noise
- Steps 70
- Scale 11.0
- Seed 587677464
- Sampler DPM++ 2M SDE Karras