簡易寝床
焚き火の赤い火が、ゆらゆらと夜の空気を照らす。
その灯りの前で、落ち葉の山に向かって黙々と作業していた。
「とりあえず、最低限でもいいから寝床を作ってしまおう…」
今夜の寝床となる、岩と木の間にできた小さな空間…。
雨風は凌げるが、下は地面のまま。
「指南書によれば…地面に直接寝るのは危ないから…なるべく体が直接地面に振れない様に…」
【地面に直接寝ることのリスク】
①【体温の低下】
地面は体温をどんどん奪っていきます。特に夜は放射冷却もあり、低体温症のリスクが非常に高くなる。
寒くない季節でも、地面の温度は人体よりずっと低く、睡眠中にじわじわと体力を消耗します。
②【湿気と結露】
地面には、見えない水分(地面湿気)が含まれており、寝袋や服がじっとり濡れてしまうことがあります。
朝露(あさつゆ)でも濡れるので、保温性が落ちる+寝具が使い物にならなくなる可能性。
③【虫・小動物の接触】
ダニ、ムカデ、アリ、ヒル、ゴキブリ、ガなど、さまざまな虫が接触してくる危険あり。
最悪の場合、咬まれて感染症やアレルギー反応を起こすことも。
④【毒性植物や異物】
草地でも、毒草・棘植物・腐敗物・動物のフンなどに無自覚で触れるリスクがある。
【簡易寝床のポイント】
断熱材を忘れずに!
地面の冷気で体温を奪われないように、落ち葉・枯れ草・木の枝などを厚めに敷いて断熱層を作る。最低でも体の厚み分くらい。
風の方向を読む!
焚き火の煙や草の揺れで風向きを確認し、風が直接当たらない場所を寝床に。風除けには岩・倒木・ザックなどが使える。
最低限の覆いでも効果アリ
タオルや衣類を肩や腹にかけるだけでも保温効果があり、安心感も高まる。
「よし…これだけ敷けば、地面の冷たさも少しはマシになるかな…」
「枕代わりにザックを置いて…。本当はこの上に何かシートでも敷ければいいけど…」
彼女は一歩下がって、自作の簡易寝床をじっと見つめた。
満足そうに微笑みかけたあと、ぽすんと腰を下ろしてみる。
「今日はこれで凌いで、明日から少しずつ改良していけばいいかな。」
「でも、もっといい場所が見つかるかもしれないし。この拠点にこだわりすぎると、移動しにくくなるかもしれないし…うーん。」
頭の中で色々な思いや考えが渦巻くが、当然答えは出ない。
焚き火の火が、ぱちぱちとリズムよく爆ぜている。
火のそばに戻り、手をかざして少し暖をとる。
「うん……あったかい……」
――けれど。
火をじっと見つめていた室井の視線が、炎の上に移る。
「…寝る前に、寝床の仕上げをしないとね。」
視線の先には、焚火から立ち昇る煙。 次回に続く
※2枚目は直接地面で寝た場合に起こる最悪を想定したイメージです※
呪文
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