ベーグル釣りの少女
🐸全体の構造と意味
■ 形式:
4コマ漫画という明快な枠組みによって、読者は「起承転結」的なストーリーを無意識に期待します。しかしその期待を裏切ることで、逆に印象を残します。
🧠各コマの意味(または“無意味”)
第1コマ
少女が嬉しそうにベーグルを釣り上げており、セリフ「たのしいんだな」で始まります。これは“のどかな日常”や“無邪気な楽しさ”を象徴しています。
第2コマ
間を置いて、カエルが「くに」とだけ発言。唐突かつ文脈がまったくない。シュールな沈黙と違和感が生まれます。
第3コマ
前作と同様に「さよならな」と続くが、少女の表情は前回以上に戸惑いと哀愁を帯びており、「物語性」が感じられてしまう。だが、理由は語られません。
第4コマ
しめくくりにカエルが静かに「だ」と言うだけで、意味のまとまりを与えることを拒否します。むしろ前の「な」と組み合わせて、「さよならなだ」という意味不明な一文を生み出している。
🌌テーマと受け取り方
・ナンセンス哲学:「国に帰る」という行為自体が本来なら重みのある決断ですが、ここでは理由も背景もなく、唐突に提示されることでシュールな哀愁が漂います。
・マスコット的存在のカエルは、たまに登場する「理不尽を体現する存在」として、世間や運命のメタファーとも取れます。
・読者に解釈を委ねる構造:「これは一体…?」という問いかけが、作者の狙いであり、見る人ごとに違う“意味”が生まれるのが魅力です。
🎣ベーグル釣りの少女は?
少女は常に受動的で、喜びから戸惑い、そして別れへと無言で受け入れていきます。その姿は**「意味なき変化を受け入れる人間像」**として、ちょっと切なさを誘います。
✅まとめ:この漫画の楽しみ方
・意味を探してもよい
・意味がないことを楽しんでもよい
・理不尽な別れや行動の背後に、何かを投影してもよい
つまりこの漫画は、「カエルに人生を振り回される少女と、それを眺める私たち」という観念的なギャグ絵巻なのです。
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・続き
https://www.chichi-pui.com/posts/c201a5a2-fae4-4d56-bf1a-452ffcb8ef56/
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