夏の雨、静かな駅で本を読む/スマホ壁紙アーカイブ
電車が出ていったあと、駅には雨だけが残った。
少女は一冊の本を胸に抱え、誰かの面影を思い出すようにページを見つめていた。
その本は、かつて二人で読みかけたもの。
最後のページだけ、まだ開けずにいた。
約束していた。
「いつか、またこの駅で続きを読もう」って。
けれど、あの日の「また」は、まだ来ていない。
今日も彼女は、本を持ってやってきた。
ページは雨に濡れず、彼女の瞳だけが静かに潤んでいた。
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