本日のランチ
『食彩探訪』11月号特集
「11月26日 香ばしさが止まらない──鶏味噌焼き定食」
文・撮影:田嶋 達郎(グルメ記者)
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昼どきの店内に、焼き網の香ばしい匂いが立ちこめる。
その匂いに背中を押されるように席へと着き、期待を込めて待っていると──
目の前に登場したのは、照りが眩しい鶏味噌焼き定食。
主役の鶏肉は、じっくり漬け込まれた味噌だれが
焼き目の部分でこんがりとキャラメル色に輝き、
箸を入れると、ふっくらとした身から湯気と共に
味噌の甘く香ばしい香りがふわっと立ち上る。
ひと口頬張った瞬間、
「これが、求めていた昼ごはんの幸福感だ」と実感した。
味噌のしっかりとしたコクの中に、
生姜の風味がアクセントとして効いており、
鶏の旨みが後を引く。
白ごはんが進む、危険な味わいだ。
そして、セットで添えられるのは
豆腐とわかめの味噌汁。
味噌焼きの濃厚さを優しく包み込みつつ、
ひと息つかせてくれる安心の一杯。
小鉢はほうれん草のおひたしときゅうりの浅漬け。
お馴染みの組み合わせだが、この2つの存在が
濃厚な味噌焼きと白米のエンドレスループを
心地よく調整してくれるのだ。
焼きの香り、味噌のコク、米の甘み。
すべてが巡り合った時、
「あぁ、今日は勝った」と思えるランチになる。
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◆次回予告
11月27日:香り立つソースと肉汁──「とんてき定食」を予定。
厚切り肉の誘惑、ぜひお楽しみに。
──今日も、いい香りだった。
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