ヒノイのクノイチ その6(エルフの姿で情報収集)
家伝の忍術、“特殊な潜入術”を用いて「エルフの少女」に扮した彼女は早速情報収集を開始した。
まず、とにかく食糧、衣服etc…様々な物資が不足しているようだ。
中央に行けばそうでもない様だが、地方になってくるとその影響はバカに出来ないらしい。
「…で、お隣のシラクレナに助けを求めたら敵扱いされて襲われたでござ…コホン、襲われたのね?」
「おうよ、全く困ったモンだぜぇ。ところで姉ちゃん、もう一杯いいか?」
「安酒でこれだけ酔えるとか、スゴイでござるな」
「なんかいったか?」
「いーえー」
情報料代わりにお酒を奢ったところ、酒樽の様な男…確かドワーフとかいう種族だったか…は、本当によく喋ってくれた。
「エネルギー不足のフェンテス、物資不足のセントレイク。こうして見ると、お互いが結びつくのは必定でござったか……」
独白するクノイチだったが、その言葉は酒場の喧騒の中に消えていった。
呪文
入力なし