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おひめさまとまほうのメガネ

使用したAI Stable Diffusion XL
むかーしむかし、あるところに
エミリアという名前の、それはそれは美しいお姫様がおりました。

3人のお兄さんの後にやっと産まれたお姫様。
それはそれは大事に育てられました。

両親から送られたたくさんのすてきなお洋服。
それに、お兄さん達もそれぞれに出来るものを送ったり。
でも、それがいけなかったのでしょうか?

素敵なドレスを身に纏い。
金色のくるくるした髪、すこし高い鼻。
人を少し見下した目。

そう…エミリアは立派な悪役令嬢になってしまったのです。

「わたしって、すばらしいでしょ? 国民も嬉しいでしょう?…私の為に今日も働けて」

なんてうそぶいて
今日もお城から下を見下ろしています。


そんなエミリアのお付きとして、
クラリッサというメイドの娘がいました。
メイド服を身に纏い、野暮ったい眼鏡をかけた少女。
いつも一生懸命に働くことから皆に愛されている女の子です。

でも、エミリアだけはちょっと違うみたい。

「そんな野暮ったい眼鏡をかけて、よくお城にいるわね」

なんて今日も馬鹿にします。
その言葉を聞いてクラリッサは、そっと悲しげに目を伏せました。

勿論彼女だってお城で働いてる以上
もっと可愛い眼鏡だって買えます。

でも、それは大好きなお爺ちゃんが作ってくれた大事なもの。
それに何よりも…
とっても素敵な想い出の品だからです。
だからクラリッサは何と言われようと黙って悲しそうにたたずむだけ。


ある日、エミリアはお庭でハチの魔物に襲われてしまいます。
勿論お城に魔物が出てくることなんて本来はありません。

でも…その日は皮肉なことに
新鮮なハチミツを欲しがったエミリアの為、ハチの魔物がお城に運ばれていたのです。
そして、その中の一部が逃げ出してしまっていたのでした。

すぐに駆け付けた騎士達によってその魔物は退治されましたが。
その際にハチの魔物が放った毒液がエミリアの目にかかってしまいます。

余りの痛みに気を失ってしまうエミリア。


次に目を冷ましたのは暗闇の中。
不思議な事に全く何も見えません。

そして聞こえてくるお医者さまの声。

「…とても残念ですが、もう 目は よくなりません。勿論宮廷魔術師達と連携して打開策は探っていきますが…本来なら人の命を容易く奪ってしまう程の猛毒です。むしろ失明だけで済んだのは幸運と言えるかと」

「貴様‼ 我が愛しの娘の目が見えなくなって幸運だと‼」

そう言って剣を抜く音が聞こえます。

「あなた、落ち着きなさい。この男以上の医者はこの国には居ないのよ…斬ったらあの娘がよけい…」

そう言って止める王妃様。

「くそっ、そうだな…すまなかったドクター。私の非礼を詫びる…だから、どうか…どうかあの娘の目を…あの娘にもう一度光を取り戻してやってくれないだろうか? 頭だって下げる。なんなら土下座だってしても構わん。必要な材料があれば何でも取り寄せよう。だからどうか…どうか…」

「そ、そんな…私の言葉がいけなかったのです。誠に申し訳ありませんでした。ですが、エミリア様の目は既にほとんど死んでしまって居るのです。これを治せるものなど…それこそ神話のエリクサーでも使うしか…」

「馬鹿な、エリクサーだと?あれは神話の中にしか存在しない薬だぞ…」

「………それ以外ですと、神医とうたわれた先の宮廷魔術師長様位しか………」

その言葉に皆黙ってしまいます。
何故なら先代の宮廷魔術師長ことクラリッサの祖父は、もう亡くなってしまっているのです。
神話に祈るか死者に縋るか。

「勿論全力を尽くします…」

その医者の言葉は気休めに過ぎない。
その場に居た全員がそれを悟ってしまいました。
勿論エミリアも…


色も、顔も、バラの花も見えない。
エミリアはだんだん、声も出さなくなっていきます。
笑顔も消え、外に出ることすら減っていきました。
勿論エミリアにも家族達がとても心配しているのは伝わってきます。
でも、まだ多感な少女であるエミリアには耐えることが出来ませんでした。

「わたしから、すてきな世界が きえてしまった…ああ、傲慢だった私に天罰が下ってしまったのかな?」

「ふふっ滑稽ね。
何で命が助かってしまったのかしら?
これから一生皆の重りになってしまうくらいだったら…
いっそ死んでしまった方が…」


「そんな事をおっしゃらないで下さい!」

「その声はクラリッサ? 貴女も私を笑いにきたの? 貴女にも随分と辛くあたってしまったものね…」


「エミリア様…誰も貴女を笑うものなどおりません。どうかこれを受け取って下さい」

「これは?」

「お忘れですか? お祖父様が私達にってお揃いでくれた眼鏡です」

そう言えばそんなことがあったわね。
あの頃は楽しかった。
今思えばあの人は私に対して唯一怒ってくれた大人だったわね。
私はあの人が苦手だったけど嫌いじゃなかった。
勿論その孫であるクラリッサも…

いつも一緒になってお花畑を走り回って怒られたっけ。
そんな時にあの人はいつも怒って…
でも、最後にはこう言って笑うのだ。

「やれやれ、お転婆娘どもめ…そんなことをしていつか大きな怪我をしても知らんぞ。わしもいつまでも元気ではないのじゃからな。いつまでも治してやれるわけではないんじゃぞ。だから二人とも良くお聞き『わしの渡した眼鏡を決して離すではないぞ。あれにはわしの魔法の力がこもっている。一度だけじゃがどんな傷でもたちどころに治してくれるじゃろう』これをかけておれば安心じゃ。わしの大事な大事な宝物達よ」

って
そうだ、あの眼鏡は‼

でも、私はそんな眼鏡をいつしか捨ててしまった。
見た目が可愛くないからって、お姫様には相応しくないからって。

でも何で…私の眼鏡は隠れて捨ててしまったはず。
それを何でクラリッサが?

「ふふっ、不思議そうな顔ですね。エミリア様が捨ててしまったあの日…偶然私は見てしまったんです。勿論悲しかった。でも、何故でしょう…捨てることは出来なかったんです。お祖父様が亡くなって悲しんでいる私を慰めてくれた時。貴女がくれた言葉を覚えているから」


エミリアはかつての愚かな自分に泣きそうになりながらもその眼鏡を受け取ります。
そして、あの頃から随分と大きくなったのに、
いまだにしっくりと来るその懐かしい眼鏡をかけました。


エミリアの目にはうすく…でも はっきりと、色がもどってきました。
だけど、それだけじゃありません。

いままで見えなかったことが、たくさん見えてきたのです。


エミリアは完全に思い出しました。
子供の頃の純粋な気持ちを。
そして、いつしか醜く歪んでしまっていた自分を。

「…ありがとう、クラリッサ。ううん、大好きなクラお姉ちゃん」

そうだ、私は誓ったんだ。
あの人の代わりに大好きなお姉ちゃんを守るって。
それがいつしか反対になって…
私はずっと守られてたんだ。
お姉ちゃんに、それだけじゃない…
お父さん、お母さん、兄さん達、それとお城の皆に…

思い出した、世界はこんなにも美しいんだ。



ぼんやりと花が咲いている。

いつかと同じように

今も変わらず私達を優しく包み込んでくれる

「エミリア様…外されないんですか? その眼鏡」

そう、お姉ちゃんと同じように…
私達は血が繋がった姉妹ではないけれど…
でも、確かに家族だったんだ

そう私自身が誓ったはずだったのに
あの日一人で泣いていた彼女を見て誓ったはずだったのだ

だから、これは外さない
私達が大人になって道を違えてしまったとしても
これをかけていれば、どこかで繋がっていられるから

そして、もう二度と間違えてしまわないって
この眼鏡が思い出させてくれるから

「ふふんっ外せるものなら外してごらんなさいお姉ちゃんっ」

「やれやれ…あの頃の関係に戻れたのは嬉しいのですが、お転婆なのだけは取り戻さなくて良かったんですよ?」


あはははははは

そんな二人を温かく見守る国王夫妻
そして兄である王子達



そのお花畑ではこれからもずっと笑顔が咲き誇るでしょう

魔法の眼鏡が繋ぎなおしてくれた絆がある限り



※後書き的な何か
絵本? まあ、絵本かな?
最初はクラリッサの優しさに触れて
優しさを取り戻したエミリアが改心して終わり

いつまでも優しさを忘れないでね
みたいな感じで締めるつもりだったんですよ
絵本的に

まあいいやって

なお、6、7枚目はAIイラストではありません
6枚目はカバーをかけたスマホで撮影したもの
7枚目は↑+フラッシュをたいた物です

なお、裏設定ですが
クラリッサは魔法の力を覚えてたから眼鏡をかけていた訳ではありません。
何故ならクラリッサの眼鏡の魔法はもう切れてしまっているからです。

お祖父様が死んだとき自暴自棄になって
大怪我を助けて貰っているからです
そして、その時助けてくれたのが幼い頃のエミリア

だから、クラリッサ的にはエミリアへの信愛は
少しも減ることはありませんでした
(流石に眼鏡を捨てられたのは大分ショックでしたが)

可愛い妹分が最近少し反抗期だなー
程度にしか思ってませんでした

だから姉妹の証である眼鏡を大事にしていたし
エミリアの分も大事にとっておいた

それはそうと…これ長すぎるかな?
動画化頼むには流石に気が引けますね

もう少し短い絵本も作ろうかな…
書いてるとまた長くなる気もしますけどwww

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