アヤナギ荘の日常 #50 -Everyday Ayanagiso-
生徒たちがざわつくなか、
詩温は自分のロッカーを静かに開けた。
その中に、やけにカラフルな紙が
挟まっているのを見つけて小首を傾げる。
「……これは?」
取り出したそれは、
新設された“秋フェス”の案内チラシ。
その隅にはマジックペンで
《出るよね? うちらのバンドで!》と、
文字が踊っていた。
「部長……」
後ろで下駄箱に身を隠す本人を見つけ、
詩温は軽くため息をついた。
「部長… 角、見えてますよ」
「えっ!…あっはは~」
「またいつものですか?」
「うん、良い曲も思いついたし!
このフェス、出るっきゃないっしょ!」
「……思いつきで行動するの、
そろそろやめたほうがいいと思います」
と言いながらも、詩温はチラシをそっと鞄に入れた。
冷たい風がローファーの隙間から入って、
足先が少しだけ震える。
でもその代わり、胸の奥がぽかぽかと温まるような
――そんな朝だった。
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