主のベットで独り眠る
主は泥だけの私を洗い、動物病院で診察を行い、ワクチンを打った。
そして私は定年間近の主の夫婦の家族になった。
そして16年がたった。黒かった主の髪もすっかり白くなった。
私も体毛に艶が無くなり、目も霞むようになった。耳も遠く動きも鈍くなった。
そんな時、主が家から急にいなくなった。
そして初めて見る人間が家の中を出入りするようになった。
ご飯と水は主の女が用意してくれたが、とても悲しそうだった。
もう1週間、主は家に戻らなかった。私はとても寂しかった。
いつも一緒に寝ていたベットに主はいない。
でも微かな主の匂いを感じながら、私は独りベットで目を閉じる。
呪文
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