黄金色の煌めき
彼女が受付の頼みごとを喜んで引き受けたのは、そのお礼として、式場でのとあるサービスを受けられるからだ。
ウェディングドレスの試着。
それなりに格式のある式場だから、普通は「それなりの対応」が必要になるけど、今回は式をあげた新郎・新婦の特典として付いてきたので、ちゃっかりそれに便乗させていただいた訳だ。
ドレスはまったく好きに選べるという訳ではないけれど、試着用に準備されたものの中からであれば、好きなものを1着選べるらしい。
また、実際にドレスを着るにあたっては、式場専属の一流のプロフェショナル達が、化粧や髪形をセットしてくれるとのこと。
こんな機会はそうそうないから、彼女は凄く楽しみにしていたのだ。
彼女が準備する間は、控室の外で待たされるぼく。
正直、ぼくの役目は終わっているし、後は着飾った彼女を眺めて帰るだけなので、すっかり気を抜いていたのだけれど・・・。
お姉さま方に控室の奥に案内されると、そこに居たのは、ちょっといつもと雰囲気の違う彼女。
艶やかな黄金色を纏った彼女が視界に入る。
するとぼくは、反射的に固まってしまった。(股間の話ではなく、全身の話です。)
胸の鼓動が「ドクン」と脈打つことがあるんだと、そんなことを頭の奥で浮かべた気はする。
ここからのことは正直あんまり覚えていない。
いや、覚えていなくはないんだけれど、妙にフワフワした感触の記憶なのだ。まったく現実感がない。
彼女の準備を手伝ったお姉さま達に促され、彼女をバルコニーにエスコート。
そこで彼女にエア・キスされた。
なぜかそこの映像だけは、脳裏に鮮明に残っている。
「やっぱり純白は本番まで取っておきたいから、普段着ないような一番派手な色にしたんだよ」
隣の彼女の声が、現実の声か、夢の中の声かも、区別が付かない。
霞がかった黄金色の煌めきと、妙に煩い心臓の音。
そんな不思議な感覚だけが、記憶として残っている。
呪文
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